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鎮魂
「鎮魂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鎮魂の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
てきた。今の時江の言葉を解釈してみると、十四郎――いや鵜飼邦太郎が、御霊所の中で
鎮魂帰神などと称し、母の眼を見ながら対座しているということは、以前にも、信徒であ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
蘭貢で身を投げた、ディグスビイの追憶が含まれているのです」
「なるほど、声のない
鎮魂楽ですね」と法水は恍惚となって云った。「なんだかジョン・ステーナーの作風に似....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
「いや、万事首尾よく済みました。」と景蔵が言った。「式のあとでは、剣の舞もあり、
鎮魂の雅楽もありました。何にしろ君、伊那の谷としてはめずらしい祭典でしょう。行っ....
「鎮魂歌」より 著者:原民喜
、ふらふらの宇宙にばかりいるのでもないようだ。久しい以前から、既に久しい以前から
鎮魂歌を書こうと思っているようなのだ。
鎮魂歌を、
鎮魂歌を、僕のなかに戻ってくる鎮....
「おもかげ」より 著者:宮本百合子
ちらでも、もとは随分そういうことがあったもんでしたよ」 そう云ってダーシャは、
鎮魂の祈りを誦《とな》え胸の上で十字を切った。ダーシャは字を知らない女であった。....
「道標」より 著者:宮本百合子
九人の人のいるがらんとした礼拝堂のパイプ・オルガンは、こんどは恭介さんのために、
鎮魂の歌を奏しました。正面扉についている小さいのぞき窓のガラスは、再びルビーのよ....
「冬を越す蕾」より 著者:宮本百合子
こうと、取上げ、その関係において中心を自分一個の弱さ暗さにうつし、結局、傷心風な
鎮魂歌をうたってしまっている。 動揺のモメントが共産主義や進歩的な文化運動への....
「風立ちぬ」より 著者:堀辰雄
小屋に帰って見ると、小さな小包が届いていた。ずっと前から註文してあったリルケの「
鎮魂歌《レクヰエム》」が二三冊の本と一しょに、いろんな附箋《ふせん》がつけられて....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
《かかと》に油を塗り、柩の蓋をすると、六人のコルシカ人は柩をかつぎあげ、低い声で
鎮魂歌《レクエイム》を合唱しながら墓地《カンポサンタ》の方へ、夕星の瞬く丘の横道....
「むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
ない、居ても起ってもいられないのですから、出来る出来ないは別問題として、私は彼に
鎮魂という方法を教えることにしました。まあ精神統一なのですが――、それがまたなか....