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鏈
「鏈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鏈の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
尾の玩具《おもちゃ》になった時計だ。あれを持つとなかなか離さなかったもんだ。あの
鏈《くさり》に着いている柘榴石《ガーネット》が気に入ってね」 「考えると古い時計....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
に、夏の夕立後はまさまさと青く近寄って来る山々である。近景の大きな二本松が此山の
鏈を突破して居る。
此山の
鏈を伝うて南東へ行けば、富士を冠した相州連山の御国山....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
害として告発しても差支えなかろうと思われるような、怖ろしい物音を真夜中に立てて、
鏈をガチャガチャと鳴らした。 「おお! 縛られた、二重に足枷を嵌められた捕虜よ」....
「武蔵野」より 著者:山田美妙
も味方もその時は大抵騎馬であッた。が味方の手綱には大殿(義貞)が仰せられたまま金
鏈が縫い込まれてあッたので手綱を敵に切り離される掛念はなかッた。その時の二の大将....
「悲しい誤解」より 著者:豊島与志雄
と、人の世が憐れに見え、人間の姿が憐れに見える。なにか重い荷を背負い、なにか重い
鏈《くさり》を引きずって、とぼとぼと歩いている、そうした感じが、我にも他人にも、....
「「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
藍の色も褪せ、ただ天地一塊となって押しつぶすような閃めき。と彼に、左舷四、五十|
鏈の辺に異様なものが見えるのだ。環礁のようだが色もちがい、広茫水平線をふさぐに拘....
「雪の透く袖」より 著者:鈴木鼓村
まぎれもないその娘だ、文金の高島田に振袖の裾も長く、懐中から垂れている函迫の銀の
鏈が、その朧な雪明りに、きらきらと光って見える、俯向き勝ちに歩むその姿は、また哀....
「芸術は革命的精神に醗酵す」より 著者:小川未明
変りがない。プロレタリヤは、行進曲に歩調を合すべきです。 自由を尊ぶなら、なぜ
鏈を切って機械化から脱しようとしないのか。真に愛を人生に抱くなら、なぜ資本主義文....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
されるのであります。殊に子供の相手は年寄ときまっていまして、その間にはまた大きな
鏈が繋がって行くのであります。 この意味からして私は、童児の持っている日本語を....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
い知らしめる史料であるに過ぎぬ。 しかもこの連歌が追々に後を引き、百句五十句と
鏈のように繋いで行くという、また一段と悠長なものになって来たので、それを単簡なる....