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鏡の間
「鏡の間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鏡の間の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
している翁は眼を据えて、唇を一文字に閉じた怖い顔になりながらムクムクと立上って、
鏡の間に来る。幕の間から顔を出して舞台を睨むと、不思議なもので誰が気付くともなく....
「旅愁」より 著者:横光利一
。
矢代たちは砂道を歩いてコンコルドの広場へ出た。数町に渡った正方形の広場は、
鏡の間のように光り輝き森閑として人一人通らなかった。その周囲を取り包んだ数千の瓦....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
、あいたりとじたりしました。 それからつぎには、ローゼンボルのお城でみるような
鏡の間にでました。でもこの鏡は、うそらしいほど大きくみせるようにできていました。....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
り開かれていた。彼らは門をはいって、洞窟《どうくつ》の中のばかの隠者を見、有名な
鏡の間の不思議な働きをためしに行った。そこはある半羊神が百万の富者になり卑しいチ....
「サレーダイン公爵の罪業」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
ッと開いて、入口に蒼ざめた顔をした給仕頭のポウルが幽霊のように立っていた。場所は
鏡の間である。さながら五人のポウルが五つの入口から一時に入込んだかのように、薄気....
「眠る森のお姫さま」より 著者:楠山正雄
、かわいらしさにも、いっこう、かわりはなかったのですからね。 さて、ふたりは、
鏡の間に出て行きました。そこで夕飯の食卓について、王女づきの女官たちがお給仕に立....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
物だけがそこに残された。その男は、帽子を腕の下に、嗅煙草入れを片手に持ちながら、
鏡の間をゆっくりと通って出口の方へ行った。 「貴様なんぞは、」とこの人物は、彼の....
「「見ること」の意味」より 著者:中井正一
運動とするのではなくして、「同一の自分」と「移る自分」とをつなぐ神秘な重々無尽の
鏡の間として、見ることが意味をもってくるのである。 しかし神秘なものとするには....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
い幸に来たんだから、どうせ見世ものなら一人でも多く珍らしがらせに、真新しい処で、
鏡の間から顔を出して、緋目高で泳いでれば可いんです。」 八郎は熱い茶を立続けに....