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鏡台
「鏡台〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鏡台の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
でになりました。犬ですか? 犬は何でも、御新造はもとより、私もまだ起きない内に、
鏡台《きょうだい》の前へ仆《たお》れたまま、青い物を吐いて死んでいたんです。気が....
「たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
節倹、交際、趣味、……」
たね子はがっかりして本を投げ出し、大きい樅《もみ》の
鏡台《きょうだい》の前へ髪《かみ》を結《ゆ》いに立って行った。が、洋食の食べかた....
「或る女」より 著者:有島武郎
こかへ手をつないで迷い込んで行った。
ある朝葉子は朝湯を使ってから、例の六畳で
鏡台に向かったが一日一日に変わって行くような自分の顔にはただ驚くばかりだった。少....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
弛い、無造作な居住居は、直ぐに立膝にもなり兼ねないよう。横に飾った箪笥の前なる、
鏡台の鏡の裏へ、その玉の頸に、後毛のはらはらとあるのが通って、新に薄化粧した美し....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
の汀、ものの二……三……十間とはない処に……お一人、何ともおうつくしい御婦人が、
鏡台を置いて、斜めに向かって、お化粧をなさっていらっしゃいました。 お髪がどう....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
惜まれる娘は違うわね。 ぐっと取詰めて、気が違った日は、晩方、髪結さんが来て、
鏡台に向っていた時ですって。夏の事でね、庭に紫陽花が咲いていたせいか、知らないけ....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
こに罷登りけるに、大なる巌にかたかけて、肘折れ造りたる堂あり。観音を据え奉れり。
鏡台とか云う外山に向いて、)……と云うんですから、今の月見堂の事でしょう。……き....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
あれさ、止して頂戴……火鉢の処は横町から見通しでしょう、脱ぐにも着るにも、あの、
鏡台の前しかないんだもの。……だから、お前さんに壁の方を向いてて下さいと云ったじ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
駆出して行って迎えて帰る。それからは畳を歩行く跫音もしない位、以前の俤の偲ばるる
鏡台の引出の隅に残った猿屋の小楊枝の尖で字をついて、膝も崩さず母親の前に畏って、....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
に僕自身の立ち姿を感じ、急いでそれを部屋の隅の衣裳戸棚の中へ抛りこんだ。それから
鏡台の前へ行き、じっと鏡に僕の顔を映した。鏡に映った僕の顔は皮膚の下の骨組みを露....
「あのころ」より 著者:上村松園
と残念におもいました。 母が用事で外出をすると、留守の私は淋しいので、母の
鏡台から臙脂をとり出して、半紙に、それら北斎の※絵をうつしていましたが、母は帰っ....
「最初の出品画」より 著者:上村松園
今から思ってみれば、若々しく子供っぽいものであったが、モデルというものがないので
鏡台にむかって自分のいろいろな姿態、ポーズというか、その格好を写しては下絵にとり....
「山吹」より 著者:泉鏡花
どで不意に見附かっては不可いから、容子を変えるんだ。」とそう言って、……いきなり
鏡台で、眉を落して、髪も解いて、羽織を脱いでほうり出して、帯もこんなに(なよやか....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
不断着の翁格子のを、と笑いながらいったが、それは串戯。襟をあたって寒くなった、と
鏡台をわきへずらしながら自分で着た。けれども…………愛吉は、女房の藍微塵のを肩に....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
ブツブツいって帰ったッけ、翌日の晩方、わざわざやって来て、 (どうしたわけだか、
鏡台の上に、)とこうだ。私許へ預って、取りに来て失せたものが、
鏡台の上にあるは、....