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鏡立て
「鏡立て〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鏡立ての前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二十世紀旗手」より 著者:太宰治
の中、すこしでも賑やかなほうがいいのだ。知っているだろう? 田舎芝居、菜の花畑に
鏡立て、よしずで囲った楽屋の太夫に、十円の御祝儀、こころみに差し出せば、たちまち....
「足迹」より 著者:徳田秋声
の荷物や、この家の我楽多の物置になっている薄暗い部屋へ入って、隅の方に出してある
鏡立ての前にしゃがんだ。ふと呼鈴がけたたましく耳に響いた。茶の間へ出て行くと、今....
「爛」より 著者:徳田秋声
しく買ったら、それをあなたにあげますがね、当分それで間に合わしておおきなさいよ。
鏡立てがあればたくさんですよ。」 お増はそう言って、長火鉢の傍で莨を喫していた....
「この初冬」より 著者:宮本百合子
櫛の歯を浮かす、その呼吸がのみこめた時分にはそろそろ私のかえる時が迫った。祖母の
鏡立ては木目のくっきりした渋色の艷のある四角い箱のようなものであった。鏡は妙によ....
「俳人蕪村」より 著者:正岡子規
うちは》さしたる亭主かな 青梅に眉《まゆ》あつめたる美人かな 旅芝居穂麦がもとの
鏡立て 身に入《し》むや亡妻《なきつま》の櫛《くし》を閨《ねや》に蹈《ふ》む 門....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ば」 と、気がついたのである。 お甲の部屋へ入った。 手筥だの、抽斗だの、
鏡立てだの、手あたり次第に掻き廻してみた。しかし、金はみつからなかった。あらかじ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ね、中には、誰も着手のいるわけがない、紅絹裏のあでやかな女小袖なども掛け、蒔絵の
鏡立ても、たった一つ置いてあった。 誰かが、或る時、 (何だ、こんな物を) ....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
っちへふり向いたので、お綱はスッと奥の部屋へ隠れてしまった。 そして、立て膝の
鏡立てに、両手を髪へ廻したかと思うと、見るまに笄をぬき簪をとり、鹿の子結びのお七....