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鐃
「鐃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鐃の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
た。彼のひたいからは膏汗《あぶらあせ》がたらたら流れた。 「銅鑼《どら》を打て。
鐃鉢《にょうばち》を鳴らせ」 いろいろの手段によって漲《みなぎ》り起こる妄想を....
「悟浄歎異」より 著者:中島敦
苦しんだのは、小雷音寺《しょうらいおんじ》の黄眉《こうび》老仏のために不思議な金
鐃《きんにょう》の下に閉じ込められたときである。推《お》せども突けども金
鐃は破れ....
「古き小画」より 著者:宮本百合子
た。ターミナは、その時十八歳であった。表の広間は、勇将を迎えて、羯鼓《かっこ》と
鐃※《にょうはち》の楽が絶えなかった。内房には、時ならぬ春が来、ターミナは、不思....
「藤棚の陰から」より 著者:寺田寅彦
するくらいであるがレッキスとして見れば実に美しい。 アフリカの蛮人でくちびるを
鐃※のように変形させているのや、顔じゅう傷跡だらけにしているのがあるが、あれはど....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
うにもなる。ジャカジャカと引鳴らせ、糸瓜の皮で掻廻すだ。琴も胡弓も用はない。銅鑼
鐃※を叩けさ。簫の笛をピイと遣れ、上手下手は誰にも分らぬ。それなら芸なしとは言わ....
「新西遊記」より 著者:久生十蘭
マ教徒の聖都だという不変の証拠がある。数えきれぬ僧院と精舎で唱和する読経の声が、
鐃※と太鼓の伴奏で絶えることなく空中にただよい、メッカをめざして何百里の困難な旅....
「『偶像再興』序言」より 著者:和辻哲郎
のは偶像の光栄に浴し偶像の力に充たされたと迷信する愚昧な民衆の歓酔である。彼らは
鐃※や手銅鼓や女夫笛の騒々しい響きに合わせて、淫らな乱暴な踊りを踊っている。そう....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
かすに足るものです。そういう僧侶が二百人ばかりも参り、その中の半分は太鼓、半分は
鐃鉢を持って居ります。その後ろにこの秘密法を行うところの主任者である大ラマが最も....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
に踏まれ、醜く潰されて、泡を立て、とばしりを跳ねさせて交り合います。
そこで銅鑼
鐃※
これはジオニゾスの神様が深秘の中からお現れなすったからです。
山羊の脚の男....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
お他の色々の楽器にもあった。例えば越中から越後の平野にかけて、お寺の本堂の大きな
鐃鉢をガンモモ、家々の仏壇の小さな鉦を、チンモモというのは普通の語である。ガンと....