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「鐘楼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鐘楼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浅草公園」より 著者:芥川竜之介
て行ってしまう。 23 吊《つ》り鐘《がね》だけ見える鐘楼《しゅろう》の内部。撞木《しゅもく》は誰かの手に綱を引かれ、徐《おもむ》ろに....
報恩記」より 著者:芥川竜之介
孔雀《しろくじゃく》も、盗めと云えば、盗んで来ます。『さん・ふらんしすこ』の寺の鐘楼《しゅろう》も、焼けと云えば焼いて来ます。右大臣家《うだいじんけ》の姫君も、....
鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
つかったものだから、そこへ飛びこんだ。 尼寺の庭は文字どおり闇黒だった。どこに鐘楼があるのやら、径があるのやら、見当がつかなかった。――僕は棒切れを一本拾って....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
い。けれども、その間でも、検事が絶えず法水の神経をピリピリ感じていたと云うのは、鐘楼らしい中央の高塔から始めて、奇妙な形の屋窓や煙突が林立している辺りから、左右....
聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
人影は愚か、異状らしい個所は発見されなかった。 検事のいる扉際に戻ると、法水は鐘楼に出る左側の階段を上り、検事とルキーンは右側のを上って行った。 「これが解せ....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
はそれらのものが、上品に淑かに行われるのである。 二|刻ごとに梵鐘が「聖壇」の鐘楼から聞こえて来た。その時人々は合掌する。 町の外れの野や丘に、沢山の天幕が....
天馬」より 著者:金史良
うっと陽炎《かげろう》に霞んで程遠く西の彼方に天主教会堂の高く聳《そび》え立った鐘楼が見え、そこら辺りに高層建築が氷山のように群立っている。正に彼の行こうとする....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
場所 越前国大野郡鹿見村琴弾谷 時 現代。――盛夏 人名 萩原晃(鐘楼守) 百合(娘) 山沢学円(文学士) 白雪姫(夜叉ヶ池の主) 湯尾峠の万年姥....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
た。 その次第はこうである。 はじめ二人は、磴から、山門を入ると、広い山内、鐘楼なし。松を控えた墓地の入口の、鎖さない木戸に近く、八分出来という石の塚を視た....
真夏の夢」より 著者:有島武郎
楓の木のしげった下を流れる、緑の堤の小川の岸にありました。しかして丘の上には赤い鐘楼のある白い寺だの、ライラックのさきそろった寺領の庭だの、ジャスミンの花にうも....
家なき子」より 著者:楠山正雄
に流れていた。この川のはるか向こうに不規則にゆがんだ地平線までは、大都市の屋根や鐘楼が続いて散らばっていた。どれが家だろう。どれがえんとつだろう。中でいちばん高....
鐘ヶ淵」より 著者:岡本綺堂
たので、そのところを鐘ヶ淵と呼ぶというのである。「江戸|砂子」には橋場の無源寺の鐘楼がくずれ落ちて、その釣鐘が淵に沈んだのであるともいっている。半鐘か釣鐘か、い....
博物誌」より 著者:岸田国士
いで行った。 やがて、ぐっと首を持ち上げながら、よく見ると、やっとでき上がった鐘楼のてっぺんに、今朝まではそんな所にいなかった若い雄鶏が一羽止っている。どこか....
女の話・花の話」より 著者:上村松園
ります、それはとても見事な美しさでした。 山門をはいってずっと奥にゆきますと、鐘楼があって、そこにまた格好のいい見事な枝垂桜があります。向うから坊さんが一人、....
夫人利生記」より 著者:泉鏡花
根から湧いて流るる、ちょろちょろ水が、ちょうどここで堰を落ちて、湛えた底に、上の鐘楼の影が映るので、釣鐘の清水と言うのである。 町も場末の、細い道を、たらたら....