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鐙
「鐙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鐙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「手紙」より 著者:芥川竜之介
前の午後のことです。僕はやはり木枕をしたまま、厚い渋紙の表紙をかけた「大久保武蔵
鐙《おおくぼむさしあぶみ》」を読んでいました。するとそこへ襖《ふすま》をあけてい....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ん。たった二|歩《ぶ》じゃあしょうがねえ。なんとか助けておくんなせえ」 「それが
鐙《あぶみ》踏ん張り精いっぱいというところだ。一体このあいだの五両はどうした」 ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
西洋馬との相違は、誰が眼にも容易に鑑別される筈であった。第一に鞍《くら》といい、
鐙《あぶみ》といい、手綱《たづな》といい、いっさいの馬具が相違しているのであるか....
「長篠合戦」より 著者:菊池寛
馬を流に乗入れて、静々と引退くのを見た。落付き払った武者振只者に非ずと、利家|諸
鐙を合せて追掛けると、彼の武者また馬の頭を返した。透間もなく切り合い火花を散して....
「賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
中で度々、乗り倒したが、前もって宿々に馬を置いてあるから、忽ち乗り換え乗り換え諸
鐙を合せて馳せた。更に途中に在る者共に命ずるには、一手は道筋の里々にて松明を出さ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
懸ける。 実際魔所でなくとも、大崩壊の絶頂は薬研を俯向けに伏せたようで、跨ぐと
鐙の無いばかり。馬の背に立つ巌、狭く鋭く、踵から、爪先から、ずかり中窪に削った断....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
そうになった時は、二河白道のそれではないが――石段は幻に白く浮いた、卍の馬の、片
鐙をはずして倒に落ちそうにさえ思われた。 いや、どうもちっと大袈裟だ。信也氏が....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
一 麹町九段――中坂は、武蔵
鐙、江戸砂子、惣鹿子等によれば、いや、そんな事はどうでもいい。このあたりこそ、明....
「小公女」より 著者:菊池寛
か。」 「二十日鼠が、そんな大きな音をさせるものですか。」 ドウナルドは手巾で
鐙を造り、虎の頭の上で跳ね躍りました。 「鼠がありったけ出て来たら、このぐらいの....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
鼻から大きい息をすると、白い煙りのような水蒸気が胸のあたりを掩っていました。男は
鐙をとって、わたしをまず馬の上にのせてくれましたが、彼は鞍の上に手をかけたかと思....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
及びもつかなかったのである。 イカバッドはそのような馬には誂えむきの男だった。
鐙が短かったので、両膝が鞍の前輪にとどくほど高くあがった。彼の尖った肱はばったの....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
病を養いつつ女の頭領として仰がれる矢島楫子刀自を初め今は疾くに鬼籍に入った木村|
鐙子夫人や中島湘烟夫人は皆当時に崛起した。国木田独歩を恋に泣かせ、有島武郎の小説....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
の古代の風によく似て居る。なかなかチベット婦人は馬によく乗るです。乗るにも決して
鐙の紐を長くして乗らない。低い椽に腰を掛けたような具合にごく
鐙の紐を短くして足を....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
をよぎり、これを書す。) 弟 桐城 張祖翼 逖先未定艸 風雨共帰舟、言従海外遊、
鐙明孤塔遠、風圧片帆遒、海水平如砥、客心間似鴎、他年応相済、莫漫説欧洲。 (風と....
「古事記」より 著者:太安万侶
にお上りになろうとして、お支度遊ばされました時に、片手は馬の鞍に懸け、片足はその
鐙《あぶみ》に蹈み入れて、お歌《うた》い遊ばされた歌は、 カラスオウギ色《いろ....