鐚銭[語句情報] » 鐚銭

「鐚銭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鐚銭の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
光の中に」より 著者:金史良
とのことだった。李はその話を聞くと真蒼になって声をふるわせ、亭主が何しろ半兵衛で鐚銭一文持たないごろつきであるから、入院などとても覚束ない、助けると思ってここに....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ど、根太の落ちるほど、積み上げられたのみでなく、種類においても、大判小判を初め、鐚銭《びたせん》に至るまで、あらゆる種類が網羅されてあり、それを山に積んで、右か....
南北」より 著者:横光利一
で、傷ひとつしやへんのや。親方に金出さそうと思うたかて、勝手の病気やぬかしてさ。鐚銭一文出しやがらんでお前、代りに暇出しやがって。」 「そうか、道理で顔が青いっ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ない」 「いったい、どこが金まわりがいいんでしょうな。紙のかねでも、値が下がった鐚銭でも、うんと出廻っていればまた、うんとふところのいいやつが出来るにちがいない....
下頭橋由来」より 著者:吉川英治
る。岩公が一心に頭を下げるのを見ると、 「一文は安い」 と、よく合羽の袖から、鐚銭が投げられた。 午まえの稼ぎを数えて、岩公は、藁を穴に貫していた。それから....