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鐸
「鐸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鐸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鼻」より 著者:芥川竜之介
くなった。
するとある夜の事である。日が暮れてから急に風が出たと見えて、塔の風
鐸《ふうたく》の鳴る音が、うるさいほど枕に通《かよ》って来た。その上、寒さもめっ....
「竜」より 著者:芥川竜之介
んだいもん》の石段の上へ参りました。丁度その日は空もほがらかに晴れ渡って、門の風
鐸《ふうたく》を鳴らすほどの風さえ吹く気色《けしき》はございませんでしたが、それ....
「女の決闘」より 著者:太宰治
並んで、相手と向き合って立った。 周囲の草原はひっそりと眠っている。停車場から
鐸《すず》の音が、ぴんぱんぴんぱんと云うように聞える。丁度時計のセコンドのようで....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
何でも先月の初め頃に、もう日の暮れかかる時分に一人の六部が家の前に立って、なにか
鐸を鳴らしていると、そこへ丁度お父っさんが外から帰って来て、その六部と顔見あわせ....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
したり長※したり冷罵したり苦笑したりするも宜かろう。が、人生の説明者たり群集の木
鐸たる文人はヨリ以上冷静なる態度を持してヨリ以上深酷に直ちに人間の肺腑に蝕い入っ....
「襟」より 著者:ディモフオシップ
た。卓と腰掛とが半圏状に据え付けてある。あまり国のと違っていない、議長席がある。
鐸がある。水を入れた瓶がある。そこらも国のと違っていない。おれは右党の席を一しょ....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
その主人が旅行という隙間を狙う。わざと安心して大胆な不埒を働く。うむ、耳を蔽うて
鐸を盗むというのじゃ。いずれ音の立ち、声の響くのは覚悟じゃろう。何もかも隠さずに....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
ろうとすれば、それは一般社会的であり得なくなる。――元来、社会一般――「社会の木
鐸」其の他――だと自負するのに無理はないが、この世論(社会も亦)というものこそ最....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
途絶えて、やがて峰の方でカラカラとまた声が響く。 と、蜩の声ばかりでなく、新に
鐸の音が起ったのである。 ちりりんりんと――しかり、
鐸を鳴らす、と聞いただけで....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
ウ……)――と呼ぶんです。振売の時、チリンチリンと鳴らすが、似ているからって、風
鐸蕎麦と云うんだそうです。聞いても寒いわね。風
鐸どころですか、荷の軒から氷柱が下....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
気風が残っていたから、当時の国士的記者|気質から月給なぞは問題としないで天下の木
鐸の天職を楽んでいた。が、新たに入社するものはこの伝統の社風に同感するものでも、....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
経綸を鼓吹したので、松下村塾の吉田松陰を任じていた。それ故に同じ操觚でも天下の木
鐸としての新聞記者を希望して、官報局を罹めた時既に新聞記者たらんとして多少の運動....
「女の決闘」より 著者:オイレンベルクヘルベルト
並んで、相手と向き合って立った。 周囲の草原はひっそりと眠っている。停車場から
鐸の音が、ぴんぱんぴんぱんというように遠く聞える。丁度時計のセコンドのようである....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
あかと外の面の草に日の入る夕べ 歎けとて今はた目白僧園の夕べの鐘も鳴りいでにけむ
鐸鳴らす路加病院のおそざくら春も今しかをはりなるらむ 草わかば色鉛筆の赤き粉のち....
「魯迅さん」より 著者:内山完造
古い版画、明代の小説の挿絵とか、詩箋、便箋の技術を残す必要があるというので、鄭振
鐸と一緒に、北京の栄宝斎など十軒ばかりの文房具屋の便箋の版木五千ばかりのうちから....