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「鑑識〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鑑識の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
秋山図」より 著者:芥川竜之介
惚《みと》れていたばかりではありません。翁には主人が徹頭徹尾《てっとうてつび》、鑑識《かんしき》に疎《うと》いのを隠したさに、胡乱《うろん》の言を並べるとしか、....
或る女」より 著者:有島武郎
かなりの注文も相当の眼識も持ってはいたが、絵画や書の事になると葉子はおぞましくも鑑識の力がなかった。生まれつき機敏に働く才気のお陰で、見たり聞いたりした所から、....
私の父と母」より 著者:有島武郎
ことがしばしばあったくらいである。芸術に対しては特に没頭したものがなかったので、鑑識力も発達してはいなかったが、見当違いの批評などをする時でも、父その人でなけれ....
麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
道端に捨てたのをいち早く拾いあげたのです。それには茶褐色の汚点がついていました。鑑識係にしらべさせたところ、例の毒物がついていたのです」 「星尾に当ってみたかね....
柿色の紙風船」より 著者:海野十三
推定される男の素裸の怪屍体を発見した。警報をうけて警視庁の大江山捜査課長以下は、鑑識課員を伴って現場に急行した。現場には同人のものらしき和服と二重まわしが脱ぎ捨....
蠅男」より 著者:海野十三
血まみれの文鎮についとった指紋が、うまく出よりました。これだす」 そういって、鑑識課員が、白い紙に転写した指紋と、凶器になった文鎮とを差出した。 「それから、....
地獄の使者」より 著者:海野十三
いる安楽椅子の右側に一度そっと置いて、それから錠前をはずして大きく左右へ開いた。鑑識用の七つ道具がずらりと店をひろげた恰好だった。 検事一行や大寺警部たちが、....
英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
明るい私の友人を御紹介しましょう。アーガス博士といいますが、クリムスビーに住んで鑑識研究所を開いています。そこへいらっしゃるがいいでしょう。このズボンについてい....
人造人間事件」より 著者:海野十三
よると、今夜八時をすこし廻ったときだったといいます」 「すると博士が死体となった鑑識時刻とあまり違わないネ。その夫人が、今家に居ないし、警察へ届出もしないという....
流線間諜」より 著者:海野十三
たとかなんとかいう……。要するに、見たところ、何の外傷もないし――」 そのとき鑑識課員が現場撮影をする準備ができたので、課長たちに屍体から離れてくれるように声....
『十八時の音楽浴』の作者の言葉」より 著者:海野十三
ころへ石をうっておく必要があると思う。 いつの世においてもそうであるが、小説の鑑識にかけては、作家や編集者や批評家よりも、読者の方が一層スマートである。この事....
石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
と、押収した兇器の柄に残された指紋との照合による最後の決定を下すために、警視庁の鑑識課へ向けて部下の一人を急がした。 三 さて、一方足跡の....
街の探偵」より 著者:海野十三
と、帆村は惨事のあった部屋から顔を出した。 中には七つの屍体が転がっていた。鑑識課員に交って憲兵の姿も見える。 日本飛行科学研究所の第四研究室員七名が、研....
雷同性に富む現代女流画家」より 著者:上村松園
煽動している批評家もそうであります。新しい形式のみを讃めるということが強ち自己の鑑識を高めるものではありません。唯に新しき批評家を以て、自称せんがために、純然た....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
集って盛んに江戸趣味を発揮したからであった。この鵜飼三次というは学問の造詣も深く鑑識にも長じ、蓮杖などよりも率先して写真術を学んだほどの奇才で、一と頃|町田久成....