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「鑑賞眼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鑑賞眼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
惰眠洞妄語」より 著者:辻潤
ことの出来ない人間は不幸なものだ。 おもちゃの好きなものは当然おもちゃに対する鑑賞眼が肥えて来る。金さえ出せばいいおもちゃが買えるというわけのものではない。い....
日は輝けり」より 著者:宮本百合子
か、眼玉がどっちによりすぎているとかいう――を、一つ一つ真偽の区別をつけるほど、鑑賞眼に発達していない。(若し主人のいうことが事実としたら)それに、また持って歩....
水仙」より 著者:太宰治
したが、主人まで真顔になって、お前は天才かも知れぬなどと申します。私は主人の美術鑑賞眼をとても尊敬していましたので、とうとう私も逆上し、かねてあこがれの芸術家の....
すり替え怪画」より 著者:海野十三
をつけていた。やがて必ずや名画怪盗の餌食になるものと思った。かの怪盗は、なかなか鑑賞眼というか鑑定眼を持っていて、真に傑作であり、値の張るものを持って行く。その....
樋口一葉」より 著者:長谷川時雨
なかったかも知れないが、美の価値を、自分の目の好悪《こうお》によって定める、男の鑑賞眼は、時によって狂いがないとはいえない。あまりお化粧もしなかったらしい上に、....
白井明先生に捧ぐる言葉」より 著者:坂口安吾
陛下に捧ぐる言葉」を評して俗うけを狙った媚態露出だとのことであるが、白井明先生の鑑賞眼は浅薄低俗と申さなければならない。 あの文章にこもる祖国へよせる僕の愛情....
津田青楓君の画と南画の芸術的価値」より 著者:寺田寅彦
て熟視する事が出来た。毎年の文展や院展を見に行ってもこういう自分のいわゆる外道的鑑賞眼を喜ばすものは極めて稀であった。多くの絵は自分の眼にはただ一種の空虚な複製....
滝田哲太郎氏」より 著者:芥川竜之介
、僕の見た限りでは滝田コレクションは何と言っても今人の作品に優れていた。尤も僕の鑑賞眼は頗る滝田君には不評判だった。「どうも芥川さんの美術論は文学論ほど信用出来....
佳日」より 著者:太宰治
なかむずかしいのですよ。」大隅君は大学の美学科を卒業したのである。美人に対しても鑑賞眼がきびしいのである。 「写真を、北京へ送ってやったのです。すると、大隅さん....
九条武子」より 著者:長谷川時雨
なお座なりをいうのはいやだ。 その時分書いたものに、ある伯爵夫人が――その人は鑑賞眼が相当たかかったが、 あのお方に十二|単衣《ひとえ》をおきせもうし、あの....
回想録」より 著者:高村光太郎
々あった。六十歳位まではそういうことをやっていて、その点私達も感心した。ただ父の鑑賞眼は専らその彫り方に向けられている。仏像などを見ても、上代のものよりは鎌倉時....
郷愁の詩人 与謝蕪村」より 著者:萩原朔太郎
のいわゆる詩人(新詩人)が、他の伝統詩の歌人や俳人に比して、比較的に自由な新しい鑑賞眼を所有している。すくなくとも僕らの詩人は、より因襲のない自由な立場で、古典....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
作者流に比べて多少の新味はあっても決して余り多く価値するに足らなかったのは少しく鑑賞眼あるものは皆認めた。ましてや偉大なる露国文学の一とわたりを究めた二葉亭が何....
挿話」より 著者:徳田秋声
人がもっているようなお茶の趣味はもっていた。骨董品――ことに古陶器などには優れた鑑賞眼もあって、何を見せても時代と工人とをよく見分けることができたが、粗野に育っ....
序に代えて」より 著者:北大路魯山人
、おろそかに見ては済まないと思います。その料理研究も食器美術にまで趣味が発達し、鑑賞眼が高くなってきますと、それはとても面白い人生となります。 こんな考えをも....