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鑵
「鑵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鑵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
ある。
或資本家の論理
「芸術家の芸術を売るのも、わたしの蟹《かに》の
鑵詰《かんづ》めを売るのも、格別変りのある筈はない。しかし芸術家は芸術と言えば、....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
分は最後に廻った。ことごとく人々を先に出しやって一渡り後を見廻すと、八升入の牛乳
鑵が二つバケツが三箇残ってある。これは明日に入用の品である。若い者の取落したのか....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
ござります。」と中腰になって、鉄火箸で炭を開けて、五徳を摺って引傾がった銅の大薬
鑵の肌を、毛深い手の甲でむずと撫でる。 「一杯|沸ったのを注しましょうで、――や....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
、碾臼の様に頑固で逞しい四対の聯結主働輪の上に、まるで妊婦のオナカみたいな太った
鑵を乗けその又上に茶釜の様な煙突や、福助頭の様な蒸汽貯蔵
鑵を頂いた、堂々たる貨物....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
一人ずつそこへ呼んで、そのいわゆるお化の正体を見せた。それは罐詰か何かのブリキの
鑵が二つ転がっていたのだった。 けれどもまた、たぶん僕のいたずらが年とともにま....
「河明り」より 著者:岡本かの子
て、しかもきらきら陽光を漉き込んでいる。片帆の力を借りながら、テンポの正規的な汽
鑵の音を響かせて、木下の乗る三千|噸の船はこの何とも知れない広大な一鉢の水の上を....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
あるね。雑貨も商っている……あれは何と言う家だい。」 「白粉や香水も売っていて、
鑵詰だの、石鹸箱はぴかぴかするけど、じめじめとした、陰気な、あれかあね。」 「全....
「古狢」より 著者:泉鏡花
払いて、縁台に腰を掛けるのだから、じかに七輪の方がいい、そちこち、お八つ時分、薬
鑵の湯も沸いていようと、遥な台所口からその権ちゃんに持って来させて、御挨拶は沢山....
「薬」より 著者:井上紅梅
た。 三 店の中には大勢の客が坐っていた。老栓は忙しそうに大薬
鑵を提げて一さし、一さし、銘々のお茶を注いで歩いた。彼の両方の※は黒い輪に囲まれ....
「新学期行進曲」より 著者:海野十三
。 母親 まあ……。 △洋服をぬぎ、洋服かけがちゃつく。同時に膳部の仕度の音、薬
鑵、飯櫃の音。 母親 さあ、どうぞ。 父親 よお、どっこいしょ、と……ああ道夫は....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
しい丈夫相な半裸体のまま朝の食事を摂って居た。車付きの銀テーブルの上にキャビアの
鑵が粉氷の山に包まれて居る。それから呑みさしの白|葡萄のグラス――小田島は呆気に....
「勘平の死」より 著者:岡本綺堂
大小や編笠や鉄砲などの小道具がある。燭台や手あぶりの火鉢が幾つも置かれてある。薬
鑵や茶道具などもある。何分にも狭いところに大勢が押合っているので、足の踏みどころ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
疾くにも追出しそうなものを、変った爺で、新造が惚るようじゃ見処があるなんてね、薬
鑵をさましていたそうですが、御覧なさい。愛吉が弥次馬に水を浴びせている内に、長屋....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
ので、お若は半身を暗がりに、少し伸上るようにして透して見ると、火鉢には真鍮の大薬
鑵が懸って、も一ツ小鍋をかけたまま、お杉は行儀よく坐って、艶々しく結った円髷の、....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
国品を好んで買うことなぞはいかがなものでしょう。松茸のたくさん出る季節に竹の子の
鑵詰をむやみに開けるなぞはいかがなものでしょう。所に適するとは場所場所に応じた気....