鑵子[語句情報] » 鑵子

「鑵子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鑵子の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
ぶ》をたて、机をおき――机の上に孔雀《くじゃく》の羽根が一本突立っていた。火鉢の鑵子《かんす》の湯をたぎらせお茶盆をひきよせて、出来上った人の格好を示してた。山....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
と返事をする坊さんたちの溜《たま》りの方へいった。そこには大きな角火鉢や、大きな鑵子《かんす》があって世話人や、顔の売れた信者の、団欒《だんらん》する場処《とこ....
初恋」より 著者:矢崎嵯峨の舎
「湯かのう? 今上げますで、少し待たッせい,一ッくべ吹ッたけるから。 老婆が鑵子の下を吹ッたける間、自分は家の内を見廻した。この家は煤だらけにくすぶり返ッて....
私本太平記」より 著者:吉川英治
めた。――のみならず師泰は、天王寺塔の九輪の宝鈴を一つ鋳つぶして、こころみに酒の鑵子(ちろり)に造らせてみるに、玲々たる金味があり、これで燗をすると何ともいえぬ....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
うらと緑に光った空の下に、子どもも女たちも出て働いている日、祖父だけが一人残って鑵子の火を焚きつけようとしている。その丸坊主の脊をくぐめた様子が、この上も無い俳....