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「鑼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鑼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
狭い御影石《みかげいし》の石だたみを、玄関の前へ来ると、ここには、式台の柱に、銅《どら》が一つ下っている。そばに、手ごろな朱塗《しゅぬり》の棒まで添えてあるか....
出帆」より 著者:芥川竜之介
とを隔てる五、六年が、すぎ去ってしまうかもしれない。 君が横浜を出帆した日、銅《どら》が鳴って、見送りに来た連中が、皆、梯子《はしご》伝いに、船から波止場《....
或る女」より 著者:有島武郎
こにはもう乳母の姿も古藤の影もなかった。 たちまち船首のほうからけたたましい銅《どら》の音が響き始めた。船の上下は最後のどよめきに揺らぐように見えた。長い綱....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
て、藻に似た女は持っている唐団扇をたかく挙げると、それを合図に耳もつぶすような銅《どら》の音が響いた。千枝松はまたびっくりして振り向くと、鬚《ひげ》の長い男と....
軍用鮫」より 著者:海野十三
セイのような擬音のうまい鮫もまじっていた。そのとき楊《ヤン》博士は、ころよしと銅《どら》のまんなかをばばんじゃらじゃらと引っぱたいた。 いっせいに、真にいっ....
鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
がさんざめき、それに交って、どこの露地からも、異国情調の濃い胡弓の音や騒々しい銅のぶったたくような音が響いて来た。色提灯を吊し、赤黄青のモールで飾りたてた家々....
西湖の屍人」より 著者:海野十三
の廊下を出ると幅の狭い段梯子が、二階へつづいていた。 「ボワーン」 と小さい銅をうったような音響が、その段梯子の上から流れてきた。 「貴方の番ですよ」 と....
疑問の金塊」より 著者:海野十三
。二人は意気揚々と本庁へ引上げていったことだろう。 そのとき、解纜を知らせる銅の音が、船首の方から響いてきた。いよいよお別れだ。私は帽子に手をかけた。 「お....
太平洋魔城」より 著者:海野十三
ている。 そのうちに、出発の時刻がだんだん迫ってきた。 はげしく、賑やかに銅が鳴りだした。乗客たちは、飛行艇の窓から外をのぞきながら、小蒸気の甲板にいる見....
軍用鼠」より 著者:海野十三
ることにする。 「また一つ、頼みますよ。ねえ、税関の旦那ァ。――」 レッドの銅ごえに(この前にドラを銅羅と書いたのは誤り。どうもすこし変だと思って今辞書を引....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
どうにもなる。ジャカジャカと引鳴らせ、糸瓜の皮で掻廻すだ。琴も胡弓も用はない。銅鐃※を叩けさ。簫の笛をピイと遣れ、上手下手は誰にも分らぬ。それなら芸なしとは言....
アグニの神」より 著者:芥川竜之介
しかし睡気はおいおいと、強くなって来るばかりです。と同時に妙子の耳には、丁度|銅でも鳴らすような、得体の知れない音楽の声が、かすかに伝わり始めました。これはい....
村芝居」より 著者:井上紅梅
って坐ろうとした時、わたしに向って、何か言った者があった。最初はガンガンという銅の音で、よく聞えなかったが、注意して聞くと、「人が来るから、そこへ坐ってはいけ....
北斗帖」より 著者:違星北斗
それにまた遣瀬なかろう淋しかろう 可哀そうだよ肺を病む友 おとなしい惣次郎君銅声で 「カムチャッカでなあ」と語り続ける 久々に荒い仕事をする俺の てのひら一....
青蛙神」より 著者:岡本綺堂
さん。賊です……。泥坊です……。 李中行 なに、泥坊だ……。(引返して寝室より銅を持ち来りて、叫ぶ。)泥坊だ……。泥坊だ……。(銅を打つ。) (この声を聞き....