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「長き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

長きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
るしへる」より 著者:芥川竜之介
んろんぬ》の如く黒けれど、眉目《みめ》さまで卑しからず、身には法服《あびと》の裾長きを着て、首のめぐりには黄金《こがね》の飾りを垂れたり。われ、遂にその面を見知....
藪の中」より 著者:芥川竜之介
ためしはない。妻は確かにこう云った、――「ではどこへでもつれて行って下さい。」(長き沈黙) 妻の罪はそれだけではない。それだけならばこの闇《やみ》の中に、いま....
外科室」より 著者:泉鏡花
見えずなれり。これのみならず玄関より外科室、外科室より二階なる病室に通うあいだの長き廊下には、フロックコート着たる紳士、制服着けたる武官、あるいは羽織|袴《はか....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
も》ちつつ、その精神は全く村越友として経営苦労しつ。その間は実に三年《みとせ》の長きに亙《わた》れり。 あるいは富山《とやま》に赴《い》き、高岡に買われ、はた....
婦系図」より 著者:泉鏡花
ない人を見よう。 これより前、相貌堂々として、何等か銅像の揺ぐがごとく、頤に髯長き一個の紳士の、握に銀の色の燦爛たる、太く逞き杖を支いて、ナポレオン帽子の庇深....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
が神界の一紀であり、この二千紀が一ブラーマ日に当る。この――八六億四〇〇〇万年の長きに当る――日の後半の間はブラーマもまたすべての生命も眠っている。しかして彼が....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
大体一致していると信ずるが、それに関する予想を述べて見ることとする。 諸民族が長きは数千年の歴史によってその文化を高め、人類は近時急速にその共通のあこがれであ....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
濡の提灯じゃ、戸惑をした※の魚じゃなどと申そう。圧も石も利く事ではない。(細く丈長き鉄の錨を倒にして携えたる杖を、軽く突直す。) いや、また忘れてはならぬ。忘れ....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
の姿は、葎を分けて忍び寄ったはじめから、目前に朦朧と映ったのであったが、立って丈長き葉に添うようでもあり、寝て根を潜るようでもあるし、浮き上って葉尖を渡るようで....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
等は細説を避けたい。兎角この事につきても、人間の工夫発明にかかるものが甚だ多く、長き年代の間に蓄積されたる附加物が、中心の真理を隠蔽して居る。例えばかの選ばれた....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ァラデーはリーブを徳としたのか、その交際はリーブの子の代までも続き、実に五十年の長きに亘った。 再び旅行の事に戻ろう。デビーはゼネバを立って、北方ローザン、ベ....
式部小路」より 著者:泉鏡花
んず玉の緒の幻の糸に似たらずや。繋げよ、玉の緒。勿断ちそ細布。 遠山と丹平は、長き廊下の遠き方に、電燈の澄める影に、月夜に霞の漾うなかに、その三人の白衣の乙女....
活人形」より 著者:泉鏡花
たる様子も無ければ、心安しと二階に上りて、壁を洩れ来る月影に四辺を屹と見渡せば、長き廊下の両側に比々として部屋並べり。大方は雨漏に朽ち腐れて、柱ばかり参差と立ち....
浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
裁判権は及びません。およそ一国が他国の軍隊によってその安全が保障され、その期間が長きに及べば、独立は隷属に転化することを知らねばならぬのであります。日本に居住す....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
を喜ぶは、夜行して暁天に近づくを喜ぶに同じく、得意の興趣、水上に投射せる己が影の長きより長し。 舷に倚り手を伸べて右の示指に綸を懸け、緩く進退しながら、 漁『....