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長き夜
「長き夜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
長き夜の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
が恋しくて、寒い記憶を繰り返すのも厭《いと》わず、たびたび過去の節穴を覗いては、
長き夜《よ》を、永き日を、あるは時雨《しぐ》るるをゆかしく暮らした。今は――紅も....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
イオリンを抱いて寝なくっちゃ古人を凌《しの》ぐ訳には行かないよ。かい巻《まき》に
長き夜守《よも》るやヴァイオリンはどうだい。東風君、新体詩でそんな事が云えるかい....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
さびしき秋の袖の上の露 独りある旅寝の床になくむしのねさへあはれをそへてけるかな
長き夜をひとりあらむと草枕かけてぞわぶる秋はきにけり ありし世をかけて思へば夢な....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
物を取寄せ、其の晩はめでたく祝しまして床に就きましたが、其の夜は話も尽きやらず、
長き夜も忽ち明ける事になり、翌日刻限を計り、孝助は新五兵衞と同道にて水道端を立出....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
も玉味噌の豆腐汁、心|協う同志安らかに団坐して食う甘さ、或は山茶も一時の出花に、
長き夜の徒然を慰めて囲い栗の、皮|剥てやる一顆のなさけ、嬉気に賞翫しながら彼も剥....
「源氏物語」より 著者:紫式部
みを促すような虫の声がするのであるから帰りにくい。 鈴虫の声の限りを尽くしても
長き夜飽かず降る涙かな 車に乗ろうとして命婦はこんな歌を口ずさんだ。 「い....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
、足跡とても見えぬくらい、谷々は只真っ白になって少しも様子が分りませぬ。其の中に
長き夜の白々と明渡りまして、身体はがっかり腹は減る、如何せばやとぼんやり立縮んで....