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長く
「長く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
長くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
くのも、検非違使《けびいし》の目には、変わりがない。どうせ死ぬくらいなら、一日も
長く生きていよう。そう思ったおれは、とうとう沙金の言うなりになって、弟といっしょ....
「英雄の器」より 著者:芥川竜之介
ですな。」
漢《かん》の大将|呂馬通《りょばつう》は、ただでさえ長い顔を、一層
長くしながら、疎《まばら》な髭《ひげ》を撫でて、こう云った。彼の顔のまわりには、....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
盛返して、やがて苦しそうな呻《うな》り声さえ、例の泡だらけな口の中から、一しきり
長く溢れて参りました。
「やあ、阿父《おとっ》さんが、生き返った。」
童部《わ....
「河童」より 著者:芥川竜之介
のはトックという河童に紹介されたことです。トックは河童仲間の詩人です。詩人が髪を
長くしていることは我々人間と変わりません。僕は時々トックの家《うち》へ退屈しのぎ....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
い。」
「そうどこにでもあって、たまるものか。」
山川技師もにやにやしながら、
長くなった葉巻の灰を灰皿の中へはたき落した。
「しかも更に面白い事は――」
少....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
で、「先生、一体この患者《かんじゃ》はいつ頃まで持つ御見込みなんでしょう? もし
長く持つようでしたら、私はお暇を頂きたいんですが。」と云った。看護婦は勿論医者の....
「道祖問答」より 著者:芥川竜之介
しさい》らしく坐っている。朦朧《もうろう》とはしながらも、烏帽子《えぼし》の紐を
長くむすび下げた物ごしは満更《まんざら》狐狸《こり》の変化《へんげ》とも思われな....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
た。空にはまだ雲が立ち迷ってただ一幅の日の光が、ちょうど対岸の山の頂へ帯のように
長く落ちていた。そうしてその光のさした所が、そこだけほかより鮮《あざや》かな黄ば....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
心の音よりほかに、聞えるものはない。――宇左衛門は、この暫くの間を、一年のように
長く感じた。佐渡守へ云い切った手前、それを修理に許しては自分の武士がたたないから....
「運」より 著者:芥川竜之介
。」
日が傾き出したのであろう。さっきから見ると、往来へ落ちる物の影が、心もち
長くなった。その長い影をひきながら、頭《かしら》に桶《おけ》をのせた物売りの女が....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
て、暫く息を休めようとした。そこには、靱皮《なめしがわ》の帯をしめて、わざと爪を
長くしたパリサイの徒もいた事であろうし、髪に青い粉をつけて、ナルドの油の匂をさせ....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
で僕の写真を見せたら、一体君の顔は三角定規を倒にしたような顔だのに、こう髪の毛を
長くしちゃ、いよいよエステティッシュな趣を損うよ。と、入らざる忠告を聞かされた。....
「江口渙氏の事」より 著者:芥川竜之介
粗笨漢だとすれば、余りに教養のある粗笨漢だ。僕は「新潮」の「人の印象」をこんなに
長く書いた事はない。それが書く気になったのは、江口や江口の作品が僕等の仲間に比べ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
様子が非常に活き活きしている。頭の形が変っていて、前額から後頭までの距離が非常に
長く、帽子はいつも特別に注文した。初めは頭髪が褐色で、ちぢれておったが、後には白....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
苗字は彼の容姿にぴったりしていた。背は高いが、ひどく細く、肩幅はせまく、腕も脚も
長く、両手は袖口から一マイルもはみだし、足はシャベルにでもしたほうがいいような形....