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長やか
「長やか〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
長やかの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
の巨人はやがて又大急ぎで手袋を脱ぎ棄てますと、まず鋏を取上げて、解剖台上の少女の
長やかに房々とした頭髪を掻分けながら、まん中あたりの髪毛を一抓み程プッツリと切取....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
大鎧｜罩手《こて》臑当《すねあて》の出で立ちの、射向けの袖《そで》に風を切って、
長やかなる陣刀の鐺《こじり》あたり散らして、寄付《よりつき》の席に居流れたのは、....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
蔽える鼻に入ってやがて他の耳に来るならずや。異様なる持主は、その鼻を真俯向けに、
長やかなる顔を薄暗がりの中に据え、一道の臭気を放って、いつか土間に立ってかの杖で....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ずとわきあがる意気は天をも衝くように見えた。離れたり集まったりする影法師には皆、
長やかな刀の鐺か、横たえている槍の影が串刺しになっていた。そしてその中には、一人....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
「何を見ているのだ」 と、大蔵が眼で叱ると、城太郎は、家の中でも離さずにいる
長やかな木剣を、畳につかえて坐りながら、 「だって、みんな見てるんだもの――」 ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
銘――しかし肥前長光ともいわれている――愛刀｜物干竿を、久しぶりに、その腰間に、
長やかに横たえていた。 その刀は、三尺余もあるので、見るからに業刀と思われ、送....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
うしろを振り仰ぐと、いつのまにか、内陣の御灯を横にうけて、一人の男が立っている。
長やかな大小と、眉深に結んだ十夜頭巾、それは、まぎれもない孫兵衛の姿だ。 油が....
「三国志」より 著者:吉川英治
やがて酒も半ばたけなわの頃、戯れにまたこんなことを訊ねだした。 「君の髯は、実に
長やかで美しいが、どれほどあるかね、長さは」 関羽の髯は有名だった。
長やか....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
い眉毛と、高い隆鼻が、横顔では、よけい目立つ。 そういう癖だの、また広い肩幅や
長やかな手足が、岩磐のように、ゆったり胡坐しているのを見ると、正季すらも、ついこ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
屋の地点も柵も三ヵ所わかれわかれに建っていた。内を覗いてみると昼もほの暗く、黒髪
長やかな白い顔が何を打ち案じているか小机に倚っているのが、簾ごしに透いてみえる。....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
番には中院ノ定平が八百余騎をひきい、宮の親衛隊には特に屈強な精兵五百人が、すべて
長やかな帯刀で、二列にそろって進んで行った。 思うにそれらは、かつての熊野山伏....
「茶漬三略」より 著者:吉川英治
馬に召され、白地｜金襴の陣羽織に、具足は萌黄の縅、革胴は真っ黒な漆塗に箔を置き、
長やかな太刀佩いて―― ひょいと、わしの声に、馬上から振向かれた。 「おっ、お....