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長上
「長上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
長上の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠義」より 著者:芥川竜之介
あったと云う話である。――今日出仕を終ってから、修理は、白帷子《しろかたびら》に
長上下《ながかみしも》のままで、西丸の佐渡守を訪れた。見た所、顔色《かおいろ》も....
「吉良上野の立場」より 著者:菊池寛
江戸家老、安井彦右衛門と藤井又右衛門の部屋へ走って行った。 内匠頭は、女どもに
長上下《ながかみしも》の紐を解かせながら、 「どうもいかん! また物入りだ! し....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
しくまされるを鼻にかけ、いまは落ちぶれて人足仲間にはいっていても、傲岸不遜にして
長上をあなどり、仕事をなまけ、いささかの奇智を弄して悪銭を得ては、若年の者どもに....
「ドレフュー大疑獄とエミール・ゾーラ」より 著者:幸徳秋水
と。此意気精神、唯一文士ゾーラに見て堂々たる軍人に見ざるは何ぞや。 或は曰く、
長上に抗するは軍人の為す可らざる事、且つ為すを得ざるの事也。ドレフュー事件の際に....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
英国生れの金髪の看護婦がつきそっていた。 またその広い部屋の隅には、やはり白い
長上衣を着たもう一人の白人の男がいた。彼にはこの白い
長上衣が一向似合っていなかっ....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
われてならなかったのである。 「――これはこのあたりのものでござる――」 藍の
長上下、黄の熨斗目、小刀をたしなみ、持扇で、舞台で名のった――脊の低い、肩の四角....
「天皇陛下にさゝぐる言葉」より 著者:坂口安吾
弟は、華族ならざる者には頭を下げる必要がないと教育されている。 一般人は上役、
長上にとっちめられ、電車にのれば、キップの売子、改札、車掌にそれぞれトッチメラレ....
「人生における離合について」より 著者:倉田百三
つかんでくれるような知己に合うとき、人は生命をも惜しからじと思うのである。先輩や
長上や主君の知遇に合うことはこの人生行路におけるこの上ない感謝であって、世間には....
「血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
上昇していたから、あの時まで凍結していたのは可笑しいのだ。手洗場は寝台の頭上の延
長上にあり、通風孔は寝台の頭上と手洗場の中間に開いていたから、非常に低温な液化ガ....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
屋を商業研究の道場と心得、仕入れ、製造、販売の研究はもちろん、朋輩に交じわる道、
長上に対するの礼、人の上に立つ心得等に至るまで、充分に習得して真に一店の主人、一....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
歩くことになるだろうと思います。ただ残念なのは、仰しゃるとおり気が強すぎて、つい
長上に対して失礼な口のききかたをすることです。その点は本人にも十分申しきかせまし....
「髪」より 著者:織田作之助
を押えると、血が吹き出していた。あとで知ったことだが、この在郷軍人会の分会長は伍
長上りの大工で、よその分会から点呼を受けに来た者には必ず難癖をつけて撲り飛ばすと....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
が余程早手廻しだったろう。 こういうと偏痴気論になる。小説だもの、鱶七が弁慶の
長上下で貧乏徳利をブラ下げて入鹿御殿に管を巻こうと、芝居や小説にいちいち歴史を持....
「女房ども」より 著者:神西清
ている。ズックの服を着た三十がらみの男。それと並んで、大きな骨ボタンの附いた黒い
長上衣を着た十七ほどの少年。馭者台には、赤シャツを着た若者が坐っている。 若者....
「はつ恋」より 著者:神西清
途端に、わたしの見ている前で、あり得べからざることが起った。父がいきなり、今まで
長上着の裾の埃をはらっていた鞭を、さっと振上げたかと思うと――肘までむきだしにな....