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長命寺
「長命寺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
長命寺の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
沖の島、多景島、白石――それから竹生島《ちくぶじま》の間も、著しく引寄せられて、
長命寺の鼻から、いずれも飛べば一またぎの飛石になっている。 比良も、比叡も、普....
「競漕」より 著者:久米正雄
いよ文農の競漕が初まろうというころになったら、珍らしい夕凪が来た。 選手は皆、
長命寺の中の桜餅屋の座敷で、樺色のユニフォームを着た。それが久野には何だか身が緊....
「魔都」より 著者:久生十蘭
には殊さららしい稚拙な文字で、こんな奇抜なことが記されてあった。
いよいよヤル
長命寺ギワ総監さま
さながら脳膜炎の子供の手紙のようだが、つらつら案ずるとこ....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
でいました。下った五色の布を引いて拝します。その後側の裏門を出ると、桜餅で有名な
長命寺の門前で、狭い斜めの道を土手に上ると言問です。 牛の御前の向い側にしもた....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
く、口に出してこう言った後、二、三日した探梅日和《たんばいびより》に、牛の御前の
長命寺へ代々の墓詣りにとだけ言い遺して、丁稚《でっち》に菓子折を持たせたまま瓦町....
「寺じまの記」より 著者:永井荷風
の見える堤へ上《のぼ》った。堤はどの辺かと思う時、車掌が大倉別邸前といったので、
長命寺《ちょうめいじ》はとうに過ぎて、むかしならば須崎村《すさきむら》の柳畠《や....
「水のながれ」より 著者:永井荷風
って、わざわざ見に行くにも及ばぬであろう。むかし土手の下にささやかな門をひかえた
長命寺《ちょうめいじ》の堂宇も今はセメント造《づくり》の小家《こいえ》となり、境....
「向嶋」より 著者:永井荷風
言っている。「桜は向嶋最も盛なり。中略三囲の鳥居前より牛《うし》ノ御前《ごぜん》
長命寺の辺までいと盛りに白鬚《しらひげ》梅若《うめわか》の辺まで咲きに咲きたり。....
「雪の日」より 著者:永井荷風
る暗くなって行く川の流を眺めた。突然耳元ちかく女の声がしたので、その方を見ると、
長命寺《ちょうめいじ》の門前にある掛茶屋のおかみさんが軒下《のきした》の床几《し....
「すみだ川」より 著者:永井荷風
よりも一体に明《あかる》くなり気味悪い雲の峯は影もなく消えている。長吉はその時|
長命寺辺《ちょうめいじへん》の堤の上の木立から、他分《たぶん》旧暦七月の満月であ....
「娘」より 著者:岡本かの子
凭せながら、午前九時頃の明るさを見せて来た隅田川の河づらを覗いた。 「蓑ちゃん、
長命寺のさくら餅屋知ってる」 「ああ知ってるよ。向う河岸の公園出てすぐだろ」 「....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
《よだがくかい》の墨水二十四景を携えて行った。 長堤蜿蜒。経三囲祠稍成彎状。至
長命寺。一折為桜樹最多処。寛永中徳川大猷公放鷹於此。会腹痛。飲寺井而癒。曰。是長....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
たさきへ立ってあるいていた小倉がそういってそのときふり返った。――そのまゝ三人は
長命寺のほうへ土手を下りた。 門……といってもしるしばかりの柱を左右に立てたゞ....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
ったときのことを思い出した。 僕等はその時にどこへ行ったのか、兎に角伯母だけは
長命寺の桜餅を一籠膝にしていた。すると男女の客が二人僕等の顔を尻目にかけながら、....