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長嘆
「長嘆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
長嘆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
ど、お見受け申したところが、馬丁なんぞをなさるような御人体じゃないね」 馭者は
長嘆せり。 「生得《うまれ》からの馬丁でもないさ」 美人は黙して頷《うなず》き....
「少女地獄」より 著者:夢野久作
失せて行った腕前の如何に超人的なものであるかを想像させられて、私はいよいよ驚愕、
長嘆させられてしまった。 それから今一つ重要な事は、それから後、いろいろと病院....
「蒲団」より 著者:田山花袋
劇に陥るのは当然だとしみじみ同情した。今はそのヨハンネスにさえなれぬ身だと思って
長嘆した。 さすがに「寂しき人々」をかの女に教えなかったが、ツルゲネーフの「フ....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
ったが、意外千万にも、それが学部長閣下と、斎藤先生に推薦されたという事を聞いて、
長嘆これを久しうした。あの論文の価値が、こんなに易々と看破されるようでは、まだま....
「原爆回想」より 著者:原民喜
杯ずつ配らせた。すると次兄は、「ああ、こんなにおいしいものが世の中にあるのか」と
長嘆息した。このミルクと砂糖の混っているオートミイルの缶は、用意のいい亡妻がずっ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
往左往するばかり……。
それもやがて。
暗黒《やみ》の水面に栄三郎を見失って
長嘆息、いたずらに腕を扼《やく》しながら三々五々散じてゆく。
「ナア乾雲! てめ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
を言われても平気です。
対馬守も、暗然として宗匠を見下ろしていたが、ややあって
長嘆息。
「ああ、やはり年齢《とし》じゃ。シッカリしておられるようでも、もう耄碌....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
甚だ遺憾に候。おれが困ると餓死するばかりで人が困るとおれが金を出すばかりかなあと
長嘆息を洩らし茲に御返事を認め申候。頓首。 七月一日金 鮟鱇や小光が鍋にち....
「我が円朝研究」より 著者:正岡容
へ落ちて即死」 再び金兵衛ゾクゾクと慄えて「ああこの家も長いことはあるまい」と
長嘆息する。 これがその二席――。 まことに戦慄《スリル》のほども新鮮そのも....
「三国志」より 著者:吉川英治
、口を酸くして説いたが、遂に用いられなかったので、 「ああ、大事去る!」と、独り
長嘆していた。 一方、呉の兵船は、弔旗をかかげて、国へ帰り、孫策は、父の柩を涙....
「三国志」より 著者:吉川英治
略の賊を打たねばならん」 「ああ。あなたも、次の時代に用のないお方だ」 仲翔が
長嘆すると、王朗は、激怒して、 「こやつめ、わしの滅亡を希っておるな。目通りはな....
「三国志」より 著者:吉川英治
、悔いをくちびるに噛み、これわが生涯の過ち、あの雷怯子めにしてやられたり矣――と
長嘆した。 時に帳外に声あって、 「丞相。何をか悔い給うぞ。それがしが一鞭に追....
「三国志」より 著者:吉川英治
かけてあるので、深く信じこんでおり、疑ってみようともしないのである。 郭図は、
長嘆したが、黙々退出するしかなかった。 簡雍はすぐ玄徳に追いついていた。うまく....
「大谷刑部」より 著者:吉川英治
ろに沈めてしまった。頼みとする唯一の者が――これでは――ああこの体では――と心で
長嘆しているように。 湖の夜風が、冷々と忍んでくる。二人は、ゆれる灯影をよそに....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
談合もし結束もしてくれねば困る」 城主の小寺政職は、並居る一同の上から、ついに
長嘆ともいえる語気を以て、こう一先ずいいわたしたところであった。 それで一応は....