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長女
「長女〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
長女の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
三人の姉弟の中でも一番賢かったと云う姉のことである。
この姉を初子と云ったのは
長女に生まれた為だったであろう。僕の家の仏壇には未だに「初ちゃん」の写真が一枚小....
「或る女」より 著者:有島武郎
のを一部分だけあてがわれて、黙って引っ込んでいる葉子ではなかった。それかといって
長女ではあるが、女の身として全財産に対する要求をする事の無益なのも知っていた。で....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
》ず仁右衛門の所に歩いて来た。待ちかまえた仁右衛門の鉄拳はいきなり十二ほどになる
長女の痩《や》せた頬《ほお》をゆがむほどたたきつけた。三人の子供は一度に痛みを感....
「奈々子」より 著者:伊藤左千夫
た。上がってからおよそ十五、六分も過ぎたと思う時分に、あわただしき迎えのものは、
長女とお手伝いであった。 「お父さん大へんです、奈々ちゃんが池へ落ちて……」 ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
番にあたっていたので、その夜は自宅にいなかった。瓜生の一家は長八と、妻のお由と、
長女のお北と、次女のお年と、長男の長三郎と、下女のお秋の六人暮らしで、男の奉公人....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
いから、口出しができないでいる。 「そんならわたいの羽織を着て行けばえいわ」と、
長女がいいだした。梅子は、 「人の着物借りてまでも行きたかない。わたい」 「そん....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
ら、返事があった。 「お父さん。ここの電灯も消して、ちょうだい。あたし、怖いわ」
長女のみどりが、奥の間へやってきた。 「ここは見えやしないよ」 「だって、戸の隙....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
女自身も、むす子に送る学資のため、そうとう自身を切り詰めている。また、甘い家庭に
長女として育てられて来たかの女は、人に褒められることその事自体に就いては、決して....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
を与えられることによってわたくしを懐にし得た。放蕩児の名を冒しても母がその最愛の
長女を与えたことを逸作はどんなに徳としたことであろう。わたくしはただ裸子のように....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
久我鎮子の身分に関する報告をもたらした。それによると、彼女は医学博士八木沢節斎の
長女で、有名な光蘚の研究者久我|錠二郎に嫁ぎ、夫とは大正二年六月に死別している。....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
肥えを汲みに大阪へ出たついでに、高津の私の生家へ立ち寄って言うのには、四つになる
長女に守をさせられぬこともないが、近所には池もあります。そして、せっかく寄ったの....
「兜」より 著者:岡本綺堂
実ともに邦原家の主人となった。かれはお町という妻を迎えて、慶応三年にはお峰という
長女を生んだ。それが現代の邦原君の姉である。 その翌年は慶応四年すなわち明治元....
「鷲」より 著者:岡本綺堂
った。弥太郎は二百俵取りで、夫婦のあいだにお藤と又次郎という子供を持っているが、
長女のお藤はことし二十二歳で、四年前から他家に縁付いているので、わが家にあるのは....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
にジョージというのがあり、後に水彩画家になった人だが、この外に三人の妹があった。
長女はもはやかたづいてライド夫人となり、次女はサラといいて、妙齢二十一才、三女の....
「怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
いう条件が利いて、娘は奇怪なる犯罪の事実を告白に及んだ。 娘は社家、葛城藤馬の
長女で稲代というのであった。 神楽殿の舞姫として清浄なる役目を勤めていたのであ....