長子[語句情報] » 長子

「長子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

長子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
ると、これは何もいまさらのように実験などすべき問題ではない。エサウは焼肉のために長子権《ちょうしけん》を抛《なげう》ち、保吉はパンのために教師《きょうし》になっ....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
は短剣を引き抜いて、背後の帷幕に突き立てたのだ。ところが、紅に染んで斃れたのは、長子のウォルターだったので、驚駭した主は、返す一撃で自分の心臓を貫いてしまった。....
姉川合戦」より 著者:菊池寛
大将は何処に在しますぞ」と探し廻って、信長のいるすぐ側迄来たところ、竹中半兵衛の長子久作|之を見とがめ、味方にしては傍目多く使うとて、名乗りかけて引き組み、遂に....
厳島合戦」より 著者:菊池寛
に於ては家康よりはずっと辛辣である。厳島合戦の時、恰度五十二歳の分別盛りである。長子隆元三十二歳、次子|吉川元春二十三歳、三子隆景二十二歳。吉川元春は、時人梅雪....
賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
日、京都本能寺に在った右大臣信長は、家臣|惟任日向守光秀の反逆に依って倒れ、その長子|三位中将信忠も亦、二条の城に於て、父と運命を共にした。当時、織田の長臣柴田....
運命」より 著者:幸田露伴
しめ、又|王僧弁をして代って将たらしむ。帝は高祖|武帝の第七子にして、誉は武帝の長子にして文選の撰者たる昭明太子統の第二子なり。一門の語、誉を征するの時に当りて....
最古日本の女性生活の根柢」より 著者:折口信夫
は、家に迎えることをせない。これは平安朝になってもそうである。だからどうしても、長子などはたいてい極の幼時は、母の家で育つのである。古くから祖の字を「おや」と訓....
家なき子」より 著者:楠山正雄
りか、リーズのいるために、うちじゅうがおもしろくくらしている。むかしは貴族の家の長子に生まれると福分を一人じめにすることができたが、今日の労働者の家庭では、総領....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
復するたびに先祖伝来の莫大な財宝をすりへらして死んでしまった。 安倍家をついだ長子天鬼は親の山気を慾気の方へうけついで、強慾のケチン坊。弟の地伯に天保銭一枚わ....
銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
助は二の句を継ぐことが出来なかった。 時の将軍家は家治であった。九代将軍家重の長子で、この事件の起こった時には、その年齢五十歳、普通の日本の歴史からいえば、暗....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
だろう。昔は子供の母がたいがい一々違っているから、尚さら事はメンドウであったね。長子相続は大化改新からだそうだが、どうだかね。しかし、いきなり壬申の乱が起ったほ....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
って、御殿の後山に霊廟をたて、コマ明神とあがめ、郡中に凶事があるとこれに祈った。長子家重が家をついだ。天平勝宝三年に僧勝楽が死んだ。弘仁と其の弟子の聖雲とが遺骨....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
、暫く騒然としたそうです。 森の家を嗣いでから祖母を迎えましたが、最初に出来た長子が夭折し、次に生れた長女はひ弱くて心細かったのでしょう、その頃|石見国美濃郡....
炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
散位平永衡に嫁して、累代の蝦夷の酋長はともかくも都人と姻戚の関係を結んだ。頼時の長子貞任はさらに深入りして陸奥権守藤原説貞の娘を妻に申し受けたいと懇望した。これ....
広告」より 著者:伊丹万作
いただきたい。 このたび私の中学時代からの友人中村草田男の句集が出た。署名を『長子』という。 一部を贈られたから早速通読して自分の最も好む一句を捨つた。すな....