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「長尻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

長尻の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
世相」より 著者:織田作之助
にはどんなスタイルを発見すればよいのだろうかと、思案に暮れていた矢先き、老訓導の長尻であった。 けれども律儀な老訓導は無口な私を聴き上手だと見たのか、なおポソ....
浮雲」より 著者:二葉亭四迷
モッサ捏返《こねかえ》している所へ生憎《あやにく》な来客、しかも名打《なうて》の長尻《ながっちり》で、アノ只今《ただいま》から団子坂へ参ろうと存じて、という言葉....
近世快人伝」より 著者:夢野久作
、あとから訪問して待っていた客に、 「イヤ。どうもお待たせしました。彼奴が来ると長尻でね。僕の所を煩悶解決所と心得て一人で喋舌って帰るのでね」 なぞとズバズバ....
謡曲黒白談」より 著者:夢野久作
し、銀山鉄壁の如き上官、重役の威厳を指呼の間に土崩瓦解せしめ、又は槓杆でも動かぬ長尻の訪客を咄嗟の間に紙片のように掃き出して終うという辣腕家が時あってか出頭して....
錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
い。実は、婆々どのの言うことに――やや親仁どのや、ぬしは信濃国東筑摩郡松本中での長尻ぞい……というて奥方、農産会に出た糸瓜ではござらぬぞ。三杯飲めば一時じゃ。今....
太宰治情死考」より 著者:坂口安吾
が、深夜に泥酔してオデン屋(フランスのネ)の戸をたゝいた。かねてネルヴァル先生の長尻を敬遠しているオデンヤのオヤジはねたふりをして起きなかったら、エエ、ママヨと....
斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
た。例えば私の下宿に一日遊んでる時でも、朝から夜る遅くまでも俥を待たして置いた。長尻の男だからドコへ行っても長かったが、何処でも俥を待たして置いたから、緑雨の来....
僕の孤独癖について」より 著者:萩原朔太郎
方で黙っていると、結局睨み合ってしまう。そしてこの睨み合いが苦しいのだ。こうした長尻の客との対坐は、僕にとってまさしく拷問の呵責である。 しかし僕の孤独癖は、....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
の方ではその翌日の仕事が駄目になりまして、その不満がお客に向うと、「あのお客達は長尻で困る」などと愚痴をこぼし、終いには訪問されるのを嫌うようになります。またお....
三国志」より 著者:吉川英治
立ち寄った例の居酒店のある村まで来たときは、すでに日も暮れかけていた。 いくら長尻でも大酒でも、昼の石広元や孟公威はもうそこにはいないだろう。その代りに、ほか....
三国志」より 著者:吉川英治
を飲め。さあ、酌いでやろう」 張松も思わず酒をすごした。兄はなかなか帰らない。長尻につられて彼も酔った。そのうちに二度|厠へ立ったが、急に、兄の張粛は帰るとい....
私本太平記」より 著者:吉川英治
忘れないでいて欲しいな」 思い入れたっぷりな言い方だった。それを言いたいための長尻であったかもしれない。さすがに口に出してはてれたのだろう。のっし、のっし、す....
」より 著者:永井荷風
蔵《えびぞう》や田之助《たのすけ》の話をして、夜《よ》も更渡《ふけわた》るまでの長尻《ながしり》に下女を泣かした父が役所の下役、内證《ないしょう》で金貸《かねか....