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長幼
「長幼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
長幼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
きつけた。三人の子供は一度に痛みを感じたように声を挙げてわめき出した。仁右衛門は
長幼の容捨《ようしゃ》なく手あたり次第に殴りつけた。
小屋に帰ると妻は蓆の上に....
「ろまん灯籠」より 著者:太宰治
うじょ》として、もっぱらお追従《ついしょう》に之《これ》努めなければなりませぬ。
長幼、序ありとは言いながら、幼者たるもの、また、つらい哉。さて、ラプンツェルは、....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
姉が三百円なら、次が二百五十円、次が二百円、次が百五十円、末が百円といった工合に
長幼の等差を整然と附けたいというわけだ。 先ず行われている、今の処じゃ。そうし....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
女は、自分がすでに感じていることを今更云い出されるような迂遠さを感じた。しかし、
長幼老若の区別や、有名無名の体裁を離れて、実際の力の上から物を云うモンパルナスの....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
弟は弟たらざるべからず、これを家庭倫理の大本となす。この原則は社交の上にも移り、
長幼の間、主僕の際、みな上制下服の則をもって律せられ、ついに政事の上にも移りて君....
「道標」より 著者:宮本百合子
ところを見ると、伸子はその少年たちの心の内にあるものが知りたかった。ベルリンでは
長幼の序という形式がやかましい。しかし、ベルリンの劇や映画でセンセイションをおこ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
ら『荊楚歳時記』から引いた元旦の式を述べた上文、〈以て山※悪鬼を辟く〉の次に、〈
長幼ことごとく衣冠を正し、次を以て拝賀し、椒柏《しょうはく》酒を進め、桃湯を飲み....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
かくて一つ目の浜は彎入する、海にも浜にもこの時、人はただ廉平と、親船を漕ぎ繞る
長幼二人の裸児あるのみ。 二十三 得も言われぬ顔して、しばらく棒....
「再び科学的精神について」より 著者:戸坂潤
濃厚なる民族にあっては家族が生活の単位となり、そこには親子の道徳が大に興り、尊卑
長幼の序という如きものが重んぜられる。而してかかる処には農業が最も適し、道徳と経....
「光は影を」より 著者:岸田国士
のを、わしは最少限度にしか用いておらん。その弊害を重々、知つとるからだ。しかし、
長幼の順なくして、共同社会というものが保つて行けるか」 「まあ、よしましよう、そ....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
為の士を登用すべきだ。わしら軽輩が、徒らに、長上を押し除けるという風説があるが、
長幼軽重を論じるべき時代ではない。力のある者が、出て行くべき時勢になってきている....
「中津留別の書」より 著者:福沢諭吉
すなわち人間の仲間に害ある人なるゆえ、天の罪するところ、人の許さざるところ、貴賤
長幼の差別なく、これを軽蔑して可なり、これを罰して差支《さしつかえ》なし。右の如....
「徳育如何」より 著者:福沢諭吉
うべし。「父子|有親《しんあり》、君臣|有義《ぎあり》、夫婦|有別《べつあり》、
長幼|有序《じょあり》」とは、聖人の教にして、周公孔子のもって貴きゆえんなれども....
「日本男子論」より 著者:福沢諭吉
れば、その関係について、それぞれ守る所の徳義なかるべからず。即ち朋友に信といい、
長幼に序といい、君臣または治者・被治者の間に義というが如く、大切なる箇条あり。こ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
ごとし。全島一巌石より成る。婦女子出で来たりて、牛乳または果酒を売る。その頭髪は
長幼をわかたず、みな黄白色なり。青草緑苔、石上に敷き、また灌木の渓畔に横たわるあ....