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「長広舌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

長広舌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
その間レヴェズは、タラタラと膏汗を流し、野獣のような血走った眼をして、法水の長広舌に乗ずる隙もあらばと狙っていたが、ついにその整然たる理論に圧せられてしまっ....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
を強姦したる事もなく、又殺害したる事実もないのであります」 とつけ加えて、漸く長広舌を終った。 裁判長は引続き証人の訊問に移ろうとしたが、この時被告人及び弁....
殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
しいね。これは僕からはつきりお願いしておく。……そうだ、僕はここで自分の手柄話に長広舌をふるつてばかりいてはいけない。高橋さん、早速伊達と早川とをもう一度調べて....
惜別」より 著者:太宰治
たものは、やはりこんな、民衆を救う事に対する懐疑でした。きょうはひとつまた、僕の長広舌を聞いてもらいます。松島の気焔は楽しかったが、今夜の告白は、暗澹たるもので....
地獄の使者」より 著者:海野十三
それとも犯人がこの意地わるを試みたのか。警部さん、御感想はいかがです」 帆村の長広舌を聞いている間に、警部の汗はすうっと引込んでしまうし、顔色も元に戻ってしま....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
泉浴と洒落《しゃれ》こんでいる。 そうでなくてさえたまらない、このお喋り坊主の長広舌が、湯の温かさにつれて、とめどもなく溶けて流れ出すのは、ぜひないことです。....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
て、心配のあまり、様子をうかがいに来て見るとこの有様で、いつ果つべしとも思われぬ長広舌が展開されていることに、呆《あき》れ返らざるを得ませんでした。 五十二 ....
死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
して、神に誓って断頭台を憤る旨を述べた。二日間たえまなく、議政壇上は泣き女めいた長広舌で満たされた。それは一つの哀歌であり、喪の歌であり、挽歌の合奏であり、「バ....
魔都」より 著者:久生十蘭
テ》としても、こうする方が至当だと考えたからです。それに……」 総監は真名古の長広舌を慎重に聴取していたが、手を挙げて真名古を遮り、 「実に驚嘆すべき頭脳だ。....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
なかった。彼女は相変らずじっと彼を見つめて、唇をふるわしていた。セルゲイの下卑た長広舌の合間合間に、彼女の耳には、かっと口をあいたりまた閉まったりする川浪のなか....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
が、とかく漠然たるコン吉の大脳には、ただもううるさいと響くばかり。涯《は》てなき長広舌の末、この島全体の空気に、何やら相応《ふさわ》しからぬ艶《なま》めかしい匂....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
べし、保険には入るべし、という諺も昔から……」 くだくだしきルナアル保険会社の長広舌のうちに、汽車は無事に聖《サン》ジェルヴェの駅に到着。ここで|P・L・M《....
随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
佐平次のところへ友だちが訊ねてゆくところはこの前同様、まことに迫真です。佐平次の長広舌(何回か繰り返す)で「当家へ福の神が」云々は何回も繰り返したが「日の暮れに....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
に最後の光焔を放ったのはシーメンス事件を弾劾した大演説であった。沼南の直截痛烈な長広舌はこの種の弾劾演説に掛けては近代政治界の第一人者であった。不義を憎む事|蛇....
火夫」より 著者:カフカフランツ
ますよ、わかっていますとも」と、カルルはいった。彼は今では自分に向けられた火夫の長広舌を避けようと骨を折っていた。それでもあらゆる争いの合い間にまだ火夫に対する....