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「長手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

長手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十円札」より 著者:芥川竜之介
んごう》のある雑誌社である。この雑誌社は一月《ひとつき》ばかり前に寄稿を依頼する長手紙をよこした。しかしこの雑誌社から発行する雑誌に憎悪《ぞうお》と侮蔑《ぶべつ....
業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
ません。其の筈で森松などから見ると三十段も上手《うわて》の悪党でござりますから、長手の火鉢《ひばち》の角《すみ》の所へ坐ったら挺《てこ》でも動きません。処《とこ....
蟇の血」より 著者:田中貢太郎
、小柄なその体を包んでいた。ちょっと小間使か女学生かと云うふうであった。色の白い長手な顔に黒い眼があった。彼はどこかこのあたりの別荘へ来ている者だろうと思ったき....
狼の怪」より 著者:田中貢太郎
声を立てた。章は手に力を入れることを止めて、俯伏しになっている女の顔を見た。若い長手な顔をした女であった。 「赦してください、悪うございました」 章はこうした....
松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
那様が入らっしったよ」 美「はい」 と返事をいたし、しと/\階子を下りて参り、長手の火鉢の前に坐りましたが髪が、結い立でお化粧の為立てで、年が十九故|十九や二....
立山の亡者宿」より 著者:田中貢太郎
ましたろう」 「なに」と、小八は苦笑いして、「……まあ、背だけは高かったよ、顔も長手なことは長手だったが、消火夫風情の嬶に、そんな好い女があるものか」 「どうし....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
の茶の間で、片方に一間の床の間があって脇の所が戸棚になって、唐木の棚があります。長手の火鉢の向うに坐って居るのが粥河の女房お蘭、年はとって二十一、只今申す西洋元....
蛇性の婬 」より 著者:田中貢太郎
家の者が野遊びに往くことになった。真女児は、「我身|稚より、人おおき所、或は道の長手をあゆみては、必ず気のぼりてくるしき病あれば、従駕にぞ出立ちはべらぬぞいと憂....
回想録」より 著者:高村光太郎
に彫った。ひょっとこの口が吸口になって鉢巻のところに煙草をつめこむパイプとか、足長手長を組合せて鏡の縁にするとか、蟹の鋏をペン置きにするとか、西洋人の気に入りそ....
食堂」より 著者:島崎藤村
立て廻して、僅かにそこいらを取り繕ってある。長いことお三輪が大切にしていた黒柿の長手の火鉢も、父の形見として残っていた古い箪笥もない。お三輪はその火鉢を前に、そ....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
が、近い社員の解職は一片の葉書の通告で済まし、遠いタダの知人には頗る慇懃な自筆の長手紙を配るという処に沼南の政治家的面目が仄見える心地がする。 沼南の五十年の....
白っぽい洋服」より 著者:田中貢太郎
して死んで往く悲しみと、脚下をすくわれたような恨みで混乱していた。彼の前には蒼い長手な顔の紫色の唇をした大柄な女の姿が浮んでいた。 小径は残りすくなになって来....
草藪の中」より 著者:田中貢太郎
ったので驚いた。 「ちと、どうかお掛けなすってくださいませ」 二十二三に見える長手な顔をした淋しそうな女で、白っぽい単衣の上に銘仙のような縦縞の羽織を引っかけ....
一握の髪の毛」より 著者:田中貢太郎
腹這いになって、小説のようなものを読んでいた。 「今晩は」 「……木村さん」女は長手な顔をあげて透すようにして、 「今日は、どうしたの」 「多摩川の方へ遊びに往....
女の首」より 著者:田中貢太郎
い二階の室には公園から伴れて来た女が淋しそうに坐っていた。微暗い電燈の光を受けた長手な色の白い顔にはおずおずした黒い眼があった。 「今、丼が来ますから、今晩はそ....