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「長旅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

長旅の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大川の水」より 著者:芥川竜之介
しげき》と緊張とに、せつないほどあわただしく、動いている自分の心をも、ちょうど、長旅に出た巡礼が、ようやくまた故郷の土を踏んだ時のような、さびしい、自由な、なつ....
或る女」より 著者:有島武郎
められた。 葉子は長い航海の始終《しじゅう》を一場の夢のように思いやった。その長旅の間に、自分の一身に起こった大きな変化も自分の事のようではなかった。葉子は何....
親子」より 著者:有島武郎
ずさをもって父と彼とは向かい合った。興奮のために父の頬は老年に似ず薄紅くなって、長旅の疲れらしいものは何処にも見えなかった。しかしそれだといって少しも快活ではな....
ルバイヤート」より 著者:小川亮作
たって盃だけは残るよ! 22 ああ、全く、休み場所でもあったらいいに、 この長旅に終点があったらいいに。 千万年をへたときに土の中から 草のように芽をふくの....
大使館の始末機関」より 著者:海野十三
は解けなかった。 3 「おかげさまで、十分睡眠をとることが出来まして、長旅の疲れもすっかり癒りましたわい。いや、老師のおかげです」 食卓に向い合って....
大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
」 艇夫長は、缶をそっと床の上において、しずかに、元の隅へおしやった。大宇宙の長旅にある噴行艇の中では、一滴の塗料、一条の糸も、人命にかかわりのある貴重な物質....
しっかり者のすずの兵隊」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
、わかりませんでした。やがてからだの色はすっかりはげてしまいました。でも、これも長旅のあいだでとれたのか、心のかなしみのためにはげたのか、それもわかりません。兵....
甲州鎮撫隊」より 著者:国枝史郎
は改めて、相手をつくづくと見た、娘は十八九で、面長の富士額の初々しい顔の持主で、長旅でもつづけて来たのか、甲斐絹の脚袢には、塵埃が滲んでいた。 「失礼ですが」 ....
鸚鵡蔵代首伝説」より 著者:国枝史郎
おりに。……あんまり強情お張りなさると、わたしは世間へ、納谷家の主人雄之進様が、長旅へ出たとは偽り、実は業病になり、蔵の中に隠れ住んでおりますと云いふらしますぞ....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
」乳母らしい老女へ顔を向けた。 「そのほうがよろしゅうございますとも。江戸までは長旅にございます。今から足など痛めましては、それこそ大変でございます。旅宿を取る....
」より 著者:カフカフランツ
ほとんど劣ってはいなかった。Kにとって城を視察するだけが問題であったのなら、この長旅はもったいない話で、それくらいならもう長いあいだいったことのない昔の故郷をも....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
令長官にさえ沢山な贈物をしたではないか。その大金の出所はいずこであるか。六年間の長旅というものは容易の金で出来るものではない。これらの大金は決して一介の貧僧に出....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
十余人の貴女、紳士、朝餐最中に頭上より海水を浴びせられ、食堂の一騒動を醸せるも、長旅の一興なり。終日斜風細雨、波高く船動き、ことに日曜なれば遊技を弄するものなく....
がん」より 著者:小川未明
ていました。そして、拍子を合わせて、二|度、三|度羽ばたきをしました。これから、長旅に出かける前のあいさつであります。 つぎの瞬間に、彼らは、空へ舞い上がりま....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
くて肥ってはいるが)さぞ好紳士に見えたことだろう。 ましてや、誰よりも私のこの長旅行を喜んでくだすったのは私の両親であった。その前夜には、二人の弟もその妻たち....