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長日
「長日〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
長日の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
今日《こんにち》の車夫の先祖である。単簡《たんかん》なる猿股を発明するのに十年の
長日月を費《つい》やしたのはいささか異《い》な感もあるが、それは今日から古代に溯....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
言ヲ為シ得ベキ資格ヲ喪失スルト同時ニ、ソノ精神ノ異状ヲ回復セムガタメニハカナリノ
長日月ヲ要シ、又ハ永久ニ回復セズ、万一コレヲ回復スルモ、ソノ被害当時ノ回想、又ハ....
「S岬西洋婦人絞殺事件」より 著者:夢野久作
皇族フロリアニ伯爵とありますが、それから後に着手された調査が、今日まで約四十年の
長日月に亘っておりまして、途中一九一九年に到って子息のJ・P・ロスコー氏が父の死....
「ジャーナリズム雑感」より 著者:寺田寅彦
での道行きをたとえ簡単にでも正確につきとめるためには、実は多数の警察官や司法官の
長日月の精査を要し、しかもそれでもなかなか容易にはすみからすみまで明白にしにくい....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
でもなかった。ああこの食物、ああこの労働、ああこの規則、これではたして二カ年半の
長日月を堪え得るであろうか、などと秋雨落日の夕、長太息をもらしたこともあった。面....
「呉清源」より 著者:坂口安吾
とがある。 この時は、打ちかけを、一週間とか二週間休養の後、また打ちつぐという
長日月の対局だから、カンヅメ生活というワケにも行かない。 呉氏良しという局面で....
「物理的空間の成立まで」より 著者:戸坂潤
な概念となって了わねばならぬ。カント自身「人間の認識の純粋な要素の研究に於て私は
長日月の熟考の後始めて感性の純粋なる要素概念(空間と時間)と悟性のそれとを確実に....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
何人《なんぴと》も同意であろう。して辛抱《しんぼう》づよい点は公の長所であった。
長日月《ちょうじつげつ》病床に臥《ふ》しながら、公の身辺に侍《は》べる者にさえ苦....
「寒中滞岳記」より 著者:野中至
道なし、故に事物によりては直《ただ》ちに生命に関するものあり、しかも滞在半年余の
長日月《ちょうじつげつ》を要する胸算《きょうさん》なりしがゆえに、すこぶる注意周....
「自力更生より自然力更生へ」より 著者:三沢勝衛
ないかと考えるのでございます。 それを一日でも早く市場へ出そうという考えから、
長日性である大根を、すでに五月上旬頃から播き付け、もちろん抽薹しますが、抽薹すれ....
「六号室」より 著者:瀬沼夏葉
うべからざる不安の色が顕われる。さなきだに彼の憔悴した顔は不幸なる内心の煩悶と、
長日月の恐怖とにて、苛責まれ抜いた心を、鏡に写したように現わしているのに。その広....
「本朝変態葬礼史」より 著者:中山太郎
播磨風土記の飾磨《しかま》郡|貽和《いわ》ノ里の条に、雄略朝に尾治連の祖先である
長日子《ながひこ》と、その善婢と愛馬との墓が三つ並んでいるが、これは
長日子の死に....
「法然行伝」より 著者:中里介山
の善導和尚の教えに従い本朝の一心《せんしん》の先徳のすすめに任せ、称名念仏の務め
長日六万遍である。死期漸く近づくによって又一万遍を加えて、
長日七万遍の行者である....
「三国志」より 著者:吉川英治
れたりしてきた彼である。 だが、その悪来典韋も、狛犬がわりに、戟を持って、この
長日を立っているのは、いかにも気だるそうであった。 「こらっ、何処へゆく」 ふ....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
しかしその日以後、重ねて、三、四回にわたる会合が行われたのは、相互二年間という
長日月の攻防を繰返し、言語に絶した苦戦と苦戦を頑張り合って来た敵味方の帰結として....