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長殿
「長殿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
長殿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
だそうです。なったのだそうです、とは妙な申し様でございますが、これは大江山捜査課
長殿のお話なのですが、わたくしはそれについて半信半疑でいます。それと申しますのが....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
、直ぐ逆に蒼くなった。そこには次のような文句が認められてあった。 「大江山捜査課
長殿 啓。しばらくでしたネ。しばらく会わないうちに、貴下の眼力はすっかり曇ったよ....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
何とかいう連隊長が来て、僕等の立っている植込のそばで小便をしようとした。 「連隊
長殿、ここに御真影があります。」 僕は大きな声で怒鳴りつけた。連隊長は恐縮して....
「橇」より 著者:黒島伝治
ものだ。もうポケットにはどれだけが程も残っていやしない! 「近松少佐!」 「大隊
長殿、中佐殿がおよびです。」 副官が云った。 耳のさきで風が鳴っていた。イワ....
「パルチザン・ウォルコフ」より 著者:黒島伝治
に、左右の手を握りしめて叫んだ。「女を殺している。若い女を突き殺してる!――大隊
長殿あんなことをしてもいいんですか!」 でぶでぶ腹の大隊長の顔には、答えの代り....
「前哨」より 著者:黒島伝治
宿舎の入口には、特務曹長が、むつかしげな、ふくれ面をして立っていた。 「特務曹
長殿、何かあったんでありますか?」 「いや、そのう……」 特務曹長は、血のたれ....
「四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
るだけではあるが、兎も角も小山の上の此畑で倒れたのだ。これを指しては、背低の大隊
長殿が占領々々と叫いた通り、此処を占領したのであってみれば、これは敗北したのでは....
「未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
るのでありますか」 「さあ、この設計を、もう一度よくしらべ直した上で、加瀬谷部隊
長殿へ報告しようと思っとる。あと半年はかかるだろうな」 「そんなにかかりますか。....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
せんたくますようお祈りいたしております。ハンナ・マレットより。 第二号付看護婦
長殿 ラパハノック川岸はきわめて静かにて全軍士気さかん。兵站部の処置よろし。テ....
「穴」より 著者:黒島伝治
かり離れて、珍しそうに、水飴のように大地にへばりつこうとする老人を眺めた。 「伍
長殿。」剣鞘で老人の尻を叩いている男に、さきの一人が思い切った調子で云った。それ....
「墓」より 著者:秋田滋
はやや低かったが、喋ってゆくにつれて、それもだんだんしッかりして行った。 「裁判
長殿、 陪審員諸氏、 申し述べておきたいようなことは、わたくしにはほとんどご....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
ので、近常さん、(阿母喜んで下さい。)と、火鉢で茶を入れていたおふくろさんと、課
長殿の顔を見て、濃い眉の下に露一杯。 不景気だし、註文は取れず、くらしも、かつ....
「城」より 著者:カフカフランツ
ことをいい争うのはやめよう」と、Kはいった。「用件はこうだ。土地測量技師Kは官房
長殿に対して、直接お話しすることを許されたいと願っている。このような許可と結びつ....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
今市会議員の間に議論が起りましたので、お尋ねいたしますが、いったいあなた様と、市
長殿とは、どんな関係がおありになるのでござりまするか、それをちょっとお聞かせ下さ....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
密も公開仕るべく候 昭和二十二年十月一日 旧侯爵藤原公正 ××新聞社編集局
長殿」 と読み上げてから、ちょいと小首を傾げ、 「藤原家の秘密も公開仕るべく候」....