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長汀曲浦
「長汀曲浦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
長汀曲浦の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河明り」より 著者:岡本かの子
ぼのと懐かしませる。私は生洲から上げたばかりという生け鱸の吸ものの椀を取上げて、
長汀曲浦にひたひたと水量を寄せながら、浜の椰子林をそのまま投影させて、よろけ縞の....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
、東の方を志す。折ふし延宝二年|臘月朔日の雪、繽紛として六美女の名に因むが如く、
長汀曲浦五里に亘る行路の絶勝は、須臾にして長聯の銀屏と化して、虹汀が彩管に擬ふか....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
えたる鹿島灘《かしまなだ》があります。ただ九十九里だけが平々凡々たる海岸の風景。
長汀曲浦《ちょうていきょくほ》と言いたいが、曲浦の趣はなくて、ただ長汀長汀ですか....
「エトナ」より 著者:野上豊一郎
戴いたエトナの高峰が次第次第に高くなり、その裾野がイオニア海に滑り込んで幾つもの
長汀曲浦を造っているのが瞬間ごとにより広く見晴るかせるようになって行くのが愉快だ....
「四国遍路日記」より 著者:種田山頭火
本降りになった、風が強く吹きだした、――八坂八浜を行くのである、風雨のすきまから
長汀曲浦を眺めつつ急ぐ、鯖大師堂に参詣する、風で笠を吹きとばされ、眼鏡もとんでし....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
走しつづける。紀南第一のドライヴウェーといっては違うだろうか。熊野灘つづく限りの
長汀曲浦と、ここの松々々の磯松原は、湘南にも、裏日本にも、ちょっと比肩しうる地を....