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長湯
「長湯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
長湯の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
たと言うのですから、無気味《ぶきみ》だったのに違いありません。上さんはそのために
長湯《ながゆ》も出来ず、※々《そうそう》風呂を出てしまったそうです。
共同風呂....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
かったんだ。早く上がりなよ」 「ええ、ええ、わかりました、わかりました。ようやく
長湯をなすったいわく因縁がわかりましたがね。
長湯にもよりけりだ。あっしゃもう……....
「旧主人」より 著者:島崎藤村
》は出し、前髪は幅広にとり、鏡も暇々に眺め、剃刀《かみそり》も内証で触《あ》て、
長湯をしても叱られず、思うさま磨《みが》き、爪の垢《あか》も奇麗に取って、すこし....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
旦那が来て五ツ頃(午後八時)に帰ったので、お北はそれから近所の銭湯へ行った。女の
長湯をすまして帰って来たのは五ツ半を廻った頃で、往来のすくない雨の夜に大抵の店で....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
う金兵衛の声を聞いて、半蔵は薄暗い湯どのの方へ父を誘った。病後の吉左衛門にとって
長湯は大の禁物だった。半蔵は自分でも丸はだかになって、手ばしこく父の背中を流した....
「新世帯」より 著者:徳田秋声
考えを持つことの出来なかったのを悔いるような心も出て来た。ついこの四、五日前に、
長湯をしたと言って怒ったのが因で、アクザモクザ罵った果てに、何か厄介者でも養って....
「煩悩秘文書」より 著者:林不忘
んだ千浪が、裾をおさえて梯子段を駈け上って、二階の部屋の障子をひらくと――。 「
長湯じゃったな。いま見させにやろうかと思っておったところじゃ。」 高弟の伴大次....
「浴槽の花嫁」より 著者:牧逸馬
かった。トマトだった。 「家内はまだ食事に降りて来ませんか。」 「いいえ。」 「
長湯だなあ。何をしてるんだろう。」 階段を上りながら、ロイドは大声に呼んだ。 ....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
けで、せっかくお金が唸るほどありながら悋気の女房をもらったばかりに眼まいするほど
長湯して、そうして味噌漬の話や塩鮭の話を拝聴していなければならぬ、おのれ、いまに....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
。フタの浮いたお風呂を思うとクスクス可笑しい。全くあれは奇妙なものね。あの風呂は
長湯出来ない。心持から。あなたの烏の行水も子供のときからああいうお風呂だからでは....
「操守」より 著者:豊島与志雄
加減をぬるくしておいて、ぼんやりと、長々と、いつまでもつかっていた。「吉乃さんの
長湯」といって、大抵の者は知っている。然しその不精らしさにも似ず、彼女は決して顔....
「鰻に呪われた男」より 著者:岡本綺堂
も夕御飯までには間があるので、わたくしは二階を降りて風呂へ行きました。 そんな
長湯をしたつもりでもなかったのですが、風呂の番頭さんに背中を流してもらったり、湯....
「快走」より 著者:岡本かの子
を済まし、お湯屋に駆けつけて汗もざっと流しただけで帰ることにした。だが母親は娘の
長湯を気にしていた。ある晩、道子がお湯に出かけた直後 「陸郎さん、お前、直ぐ道子....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
た。早く健康に回って、天意にこたえんとするものしか疼いて来ない。 「初めから余り
長湯を遊ばすとかえっていけませんから、きょうはこのくらいになされて」 と、亭主....