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「長男〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

長男の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
を刺した。或風の寒い四月の午後、高等学校の生徒だった彼は彼等の一人、――或男爵の長男と江の島の崖《がけ》の上に佇《たたず》んでいた。目の下はすぐに荒磯だった。彼....
疑惑」より 著者:芥川竜之介
で、当時私が学校以外にも、時々|出稽古《でげいこ》の面倒を見てやった尋常四年生の長男の姉だったろうではございませんか。勿論私は一応辞退しました。第一教員の私と資....
」より 著者:芥川竜之介
かでしょう。銀行や会社も持っているようよ。」 「あの人は次男か三男かなの?」 「長男――って云うのかしら? 一人きりしかいないんですって。」 広子はいつか彼等....
文放古」より 著者:芥川竜之介
そこへまた時々|親戚《しんせき》などから結婚問題を持って来るのよ。やれ県会議員の長男だとか、やれ鉱山《やま》持ちの甥《おい》だとか、写真ばかりももう十枚ばかり見....
子供の病気」より 著者:芥川竜之介
に声をかけた。「どうかしたのか?」「ええ、お腹が少し悪いようなんです」この子供は長男に比《くら》べると、何かに病気をし勝ちだった。それだけに不安も感じれば、反対....
猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
機は貧困のためか、彼女自身の性情のためか、どちらか未《いまだ》に判然しない。蟹の長男は父の没後、新聞雑誌の用語を使うと、「飜然《ほんぜん》と心を改めた。」今は何....
」より 著者:芥川竜之介
踏切番人の過失に依《よ》り、田端一二三会社員|柴山鉄太郎《しばやまてつたろう》の長男|実彦《さねひこ》(四歳《しさい》)が列車の通る線路内に立ち入り、危く轢死《....
捨児」より 著者:芥川竜之介
ばならなかったのです。 「その悲しみが薄らいだ時、まず女の心に浮んだのは、捨てた長男に会う事です。「もしあの子が達者だったら、どんなに苦しい事があっても、手もと....
私の父と母」より 著者:有島武郎
それをあらかじめ相談しないだけのことだ。こういう性質をもって、私の家のような家に長男に生まれた私だから、自分の志す道にも飛躍的に入れず、こう遅れたのであろうと思....
星座」より 著者:有島武郎
り偉い人間は出てこようがないとしてあるんだ。けれどもだ、おやじは俺が大の自慢で、長男は俺の後嗣《あとつ》ぎ相当に生れついているが、次男坊はやくざな暴れ者だで、よ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
に中毒るような人物で。 年紀は二十七。従五位|勲三等、前の軍医監、同姓|英臣の長男、七人の同胞の中に英吉ばかりが男子で、姉が一人、妹が五人、その中縁附いたのが....
親子」より 著者:有島武郎
では行けるだろうと思ったのが、こんなめんどうな仕事を始めた俺しの趣意なのだ。……長男となれば、日本では、なんといってもお前にあとの子供たちのめんどうがかかるのだ....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
砂から拾って来たような体であったが、実は前妻のその狂女がもうけた、実子で、しかも長男で、この生れたて変なのが、やや育ってからも変なため、それを気にして気が狂った....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
たと、慌しく鬱金木綿を臍でかくす……他なし、書画骨董の大方を、野分のごとく、この長男に吹さらわれて、わずかに痩莢の豆ばかりここに残った所以である。矢藤は小浜屋の....
押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
佐太郎の眼に、父母の顔に重つて、初世の紅い顔が焼きついて来た。 四長男ではあるし他に働き手はないのだから滅多なことには召集は来ないだろうと、高をく....