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長躯
「長躯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
長躯の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幻影の盾」より 著者:夏目漱石
き立つ事もあるが、初夜過ぎに吾が室に帰って、冷たい臥床《ふしど》の上に六尺一寸の
長躯《ちょうく》を投げる時は考え出す。初めてクララに逢ったときは十二三の小供で知....
「日輪」より 著者:横光利一
ける一人残った祭司の宿禰にさえも、彼は言葉を交えようとしなかった。そうして、彼の
長躯は、不弥を追われて帰ったときの彼のごとく、再び矛木のようにだんだんと痩せてい....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
合いかねるほどだった。見ると、銃剣の密集したひらめきが防寨の上に押し寄せていた。
長躯《ちょうく》の市民兵が侵入してきたのである。あるいは乗り合い馬車をまたぎ越え....
「塩花」より 著者:豊島与志雄
あった井野氏が、広間の話などには全く無関心に、或る青年と碁をうっていた。この痩身
長躯の篤学者は、日本服の着流しにあぐらを組み、ビールを数本ひきつけて、飲みながら....
「波多野邸」より 著者:豊島与志雄
る恰好な室があった。 彼の碁の相手になってる井野老人は、まだ髪の毛が濃く、痩身
長躯、たいてい和服の着流しで、何よりも囲碁が好きだった。研究所には可なりの蔵書を....
「三国志」より 著者:吉川英治
の前へ躍り立って、 「一命は貰ったッ」 と、いうや否、大剣を抜き払って、呂布の
長躯をも、真二つの勢いで斬りつけて来た。 「あっ」 呂布の沓は、敷き詰めてある....
「三国志」より 著者:吉川英治
。 例の長髯を春風になびかせて、のそのそと、相府の門へいま入ってゆくのは関羽の
長躯であった。 曹操に会って、関羽は、 「日頃のご恩報じ、こんどの大会戦には、....
「三国志」より 著者:吉川英治
を打ち鉦を鳴らして歓迎したので、張松が、びっくりして立ち止まると、たちまち、長髯
長躯の大将が、彼の馬前に来て、 「賓客、ようこそご無事で」 と、にこやかに、出....
「日本の頭脳調べ」より 著者:戸坂潤
解による純鉄採取との研究が大河内研究室の仕事だ。上総大竜の藩主であるこの堂々たる
長躯の殿様は、卓越した科学者であり経営者であり政治家であると共に、陶器の造詣に於....