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長靴
「長靴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
長靴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
を出すようにと云った。そこへ大阪のN君が原稿を貰いに顔を出した。N君は泥まみれの
長靴《ながぐつ》をはき、外套《がいとう》に雨の痕《あと》を光らせていた。自分は玄....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
本ぶら下げたなり、すうっとまたどこかからはいって来た。ちょうどホテルの給仕などの
長靴《ながぐつ》を持って来るのと同じことである。半三郎は逃げようとした。しかし両....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
受けていた。その時彼れは三十七だった。帽子を被って二重マントを着た、護謨《ゴム》
長靴ばきの彼れの姿が、自分ながら小恥《こはずか》しいように想像された。
とうと....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
火とは、黒い大きな塊的とよりこの男を照らさなかった。男がぐっしょり湿った兵隊の古
長靴を脱ぐのを待って、私は黙ったまま案内に立った。今はもう、この男によって、むだ....
「三つの宝」より 著者:芥川竜之介
森の中。三人の盗人が宝を争っている。宝とは一飛びに千里飛ぶ
長靴、着れば姿の隠れるマントル、鉄でもまっ二つに切れる剣――ただしいずれも見たと....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
ルヘ落ち、そこら中に火をふりまき、私はたぶん晴彦を連れ、二人ともハダシゆえ近所へ
長靴を借りに行ったところで、本もののプーが鳴り、目がさめた。 私は神経がするど....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
つでしゅ、泡ほどの砂の沫を被って転がって遁げる時、口惜しさに、奴の穿いた、奢った
長靴、丹精に磨いた自慢の向脛へ、この唾をかッと吐掛けたれば、この一呪詛によって、....
「火星兵団」より 著者:海野十三
博士は、まるでサンタクロースかエスキモー人のように、厚い毛皮の服に、ズボンに
長靴といういでたちだった。しかも、そのうえに、例の大きな酸素かぶとを、かぶってい....
「犬」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
く腹を立って来た。シュッチュカは次第に側へ寄って来た。その時百姓は穿いて居る重い
長靴を挙げて、犬の腋腹を蹴た。 「ええ。畜生奴、うぬまで己の側へ来やがるか。」犬....
「露肆」より 著者:泉鏡花
一式の店さえ八九ヶ所。続いて多い、古道具屋は、あり来りで。近頃古靴を売る事は……
長靴は烟突のごとく、すぽんと突立ち、半靴は叱られた体に畏って、ごちゃごちゃと浮世....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
の手で、おうように私の天窓をなでて、そして手を引あって黙って坂をのぼって行った。
長靴の音がぽっくりして、銀の剣の長いのがまっすぐに二ツならんで輝いて見えた。それ....
「雪霊続記」より 著者:泉鏡花
、いずれも演習行軍の装して、真先なのは刀を取って、ぴたりと胸にあてている。それが
長靴を高く踏んでずかりと入る。あとから、背嚢、荷銃したのを、一隊十七人まで数えま....
「母を尋ねて三千里」より 著者:アミーチスエドモンド・デ
そこには大ぜいの男が荷車に穀物のふくろをつんでいました。丈の高い口ひげのある男が
長靴をはいて仕事の指図をしていました。その人がこの親方でした。 マルコはおそる....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
ったのかと思えば夢の様でもあり、ない様でもある。 それから間もなく、ルパシカに
長靴、馬上ゆたかにと云うのかどうかしらないが威風堂々とゆられつつ、謡いつつの奇妙....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
ットをちょこんとのっけていた。 かれはさっきから目のまえの草のうえに、二|足の
長靴をきちんとならべて、つくづくと見いっていた。 片方はいままではいていた
長靴....