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「門付〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

門付の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
り》に籠《こも》る様になった頃より、毎日々々チャンと時間を極《きめ》て廻って来る門付《かどづけ》の物貰いがございまして、衣服《なり》も余り見苦しくはなく、洗いざ....
仇討三態」より 著者:菊池寛
風邪の気味で床に就いた時には、二朱銀が数えるほどしか残っていなかった。 彼は、門付をしながら、中国筋を上って、浪華へ出るまでに、半年もかかった。浪華表の倉屋敷....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
鳩が餌をあさる。黒い燕が往来なかで宙返りを打つ。夜になると、蛙が鳴く、梟が鳴く。門付けの芸人が来る。碓氷川の河鹿はまだ鳴かない。 おととしの夏ここへ来たときに....
田舎教師」より 著者:田山花袋
たということが書いてあった。夜は提灯行列が日比谷公園から上野公園まで続いて、桜田門付近|馬場先門付近はほとんど人で埋めらるるくらいであったという。京橋日本橋の大....
映画雑感(Ⅳ)」より 著者:寺田寅彦
ナルな表情の持ち主で引き立っている。そうして端役に出る無表情でばかのような三人の門付け娘が非常に重大な「さびしおり」の効果をあげているようである。 男役のほう....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
理《ことわり》をあらはす……」 もとよりそれは本格の平家でありましたけれど、門付《かどづ》けをして歩いて、さのみ人の耳を喜ばすべき種類のものではありません。....
社会時評」より 著者:戸坂潤
面が報じる※話によると、社会事業協会の幹部の一行が吾妻橋傍に佇んでいる親子ずれの門付けをつかまえて、明日から止めないと懲役になるよと注意すると、母親は急にメソメ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
と、斯様《かよう》に申しますものですから、私が事を分けて、いいえ、ございませぬ、門付《かどづけ》でいただいた鳥目《ちょうもく》が僅かございましたのを、それで、甲....
次郎物語」より 著者:下村湖人
。この魅力の前には、校番の部屋が狭くて不潔であろうと、お浜本人が、以前|三味線の門付けをしていた女であろうと、また、彼女の亭主の勘作がどこかの炭坑稼ぎにあぶれて....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
奉公をすれば奉公先の屋敷へ、体をしばられなければならないし、と云ってまさかに門付などになって、人の家の門へなどは立てそうもなかった。 (わたしには主税様は諦....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
このごろ晩年の小泉八雲のものを読んで一層とそう思った。平凡な学生、つまらない門付け、ハンブルな昆虫などがあれだけ、身に沁みて印銘するのは感受性の硬くなりがち....
鯛と赤蛸」より 著者:佐藤垢石
か、東京湾内の鯛に、一本鈎につけた赤蛸を食いつかせて貰えまいか。 瀬戸内海の鳴門付近の職業漁師が餌に用いるのは、足長蛸という蛸の足であるらしい。なんにしても、....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
髪たば。突撃のときのたけだけしい叫喚。泣くときの気味悪い呻き。匪兵と農兵。道化と門付けの楽人。その祖先は誰であったか? 黒海からきたシキア人か? スペイン人か?....
長崎の鐘」より 著者:永井隆
生きている者も傷者が多く、今この上の丘で活曜をしている外科を中心とする一団と、裏門付近で働いている皮膚科・小児科を中心とする一団を合わせても、元気な者は五十名く....
融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
が穢わしいというだけで、エタでも、非人でもなくなりました。遊芸者の中でも、下等な門付け芸人や、渡り芸人は別ですが、上等の歌舞伎役者や、人形遣いなどは、河原者、河....