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門戸
「門戸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
門戸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
なって行くのを怖《おそ》れないではいられなかった。葉子の父は日本橋ではひとかどの
門戸《もんこ》を張った医師で、収入も相当にはあったけれども、理財の道に全く暗いの....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
、字画も整然と読まれた。その文書の大意は――我はここに年久しく住んでいて、家屋|
門戸みな我が物である。そこへ君が突然に入り込んで済むと思うか。もし君の住宅へ我々....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
差配人さんを理想とせずとも済む。文人は文人として相当に生活できる。仮令猶お立派に
門戸を張る事が出来なくとも、他の腰弁生活を羨むほどの事は無い。公民権もある、選挙....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
引の尻端折で、読本の包みを背負って、とことこと道を真直ぐに歩行いて来て、曲尺形に
門戸を入って、「あ、本屋でござい。」とばかりは限るまい。あいつ妾か。あの妾が、わ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
はわれ等にとりて大々的障害である。何となれば、それは物慾に捕われたる悪霊の為めに
門戸を開くからで、われ等の懸命の努力も、到底|之をいかんともすることができない。....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
の問題は犯罪の動機です。相原医師は近所の人達にも尊敬と信用を受けて多年この土地に
門戸を張っている人ですから、他から怨恨を受けるような原因がありそうにも思われませ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
級に属していて、礼儀を知らない無頼の徒でないかぎりは、すべての家庭は諸君のために
門戸をひらいて、非常に親切に面倒を見てくれるのである。 今から約十五年ほど前に....
「幸福な家庭」より 著者:井上紅梅
ん溜った布簾を放下した。こういう風だと自己を守って閉じ籠るほどの強情もなく、また
門戸を開放する不安もないのだから、これこそはなはだ「中庸の道」に合するものだと思....
「有喜世新聞の話」より 著者:岡本綺堂
ている。そういう時代、そういう場所ではあるが、溝口医師は相当の病家を持って相当の
門戸を張っていた。
門戸といえば、溝口医師の家は小さい旗本の古屋敷を買って、そ....
「新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
悪せしめ且つ破壊せしめる事に導くものである。 芸術を救う為めには、芸術に生命の
門戸を開かなければならない。有らゆる人々を其処に容れなければならない。平民にも発....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
後であった。小さい時から長袖が志望であったというから、あるいは画師となって立派に
門戸を張る心持がまるきりなかったとも限らないが、その頃は淡島屋も繁昌していたし、....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
長くその椅子に坐していたら必ず新生面を拓く種々の胸算があったろうと思う。正倉院の
門戸を解放して民間篤志家の拝観を許されるようになったのもまた鴎外の尽力であった。....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
月末の米屋酒屋の勘定どころか煙草銭にもしばしば差支えた。が、社長沼南は位置相当の
門戸を構える必要があったとはいえ、堂々たる生活をしながら社員が急を訴えても空々し....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
也。昨日層雲峡に入りて、鬼神の楼閣かと思いしも、今日より見れば、まだほんの鬼神の
門戸なりし也。 昨日は鬼神の
門戸を鬼神の楼閣と思いしが、今日は始めて鬼神の楼閣....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
隅に聚宝碑と名づくる小石碑あり。その碑面に「来竜聚宝接引財神」と刻し、あるいは「
門戸土地福神」と題し、その左右に「銀甕排山入、金船駕海来」(銀のかめは山をおしひ....