門歯[語句情報] » 門歯

「門歯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

門歯の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
少女地獄」より 著者:夢野久作
帰り、詳細に亙《わた》りて調査したるに、前廂《まえびさし》にシッカリと噛締めたる門歯と犬歯の痕跡あり。しかも、それは極めて強健なる少年の歯型なる事が、専門家の意....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
サシスセソがはっきり云えなかった。骨壊疽で義歯を支えていた犬歯が抜け落ち、下顎の門歯がとれてしまったのだ。「あの勇敢なコシャック騎兵までが逃げてきまひた。」 ....
ラ氏の笛」より 著者:松永延造
た彼の長い身体、白い靴下の穴からのぞく、薄黒い足の裏、血に染って赤くなった大きい門歯、苦痛の涙に濡れた長い睫毛《まつげ》――それら全体は、より所もない孤独の感じ....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
近い厠の前の庭へ落雷した。この時厠に立って小便をしていた伊沢柏軒は、前へ倒れて、門歯二枚を朝顔に打ち附けて折った。此の如くに反覆して雷火に脅されたので、抽斎は雷....
ビジテリアン大祭」より 著者:宮沢賢治
するからである。見給え諸君の歯は何枚あります。三十二枚、そうです。でその中四枚が門歯四枚が犬歯それから残りが臼歯《きゅうし》と智歯です。でそんなら門歯は何のため....
百喩経」より 著者:岡本かの子
さいわい黍畑は続いて居た。はるかに瑠璃色の空を刻み取って雪山の雪が王城の二つ櫓を門歯にして夕栄えに燦めいて居た。夢のような行列はこれ等の遠景を遊び相手にたゆたい....
謎の咬傷」より 著者:小酒井不木
まま実行しようと決心した。彼は細君を火葬に附して、骨上げをした歯骨の中から上下の門歯と犬歯合せて十二本を取り出し、それを上下の顎の大きさの金具に排列し、更にそれ....