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門灯
「門灯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
門灯の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「壊れたバリコン」より 著者:海野十三
りる時、歩哨の大きい声が襲いかかって来ました。見ると半身を衛門の上に輝く煌々たる
門灯に照し出された歩哨が、剣付銃をこっちへ向けて身構えをしていました。 「何者か....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
少年が駈けこんできた。 「警戒管制ですから、不用の電灯は消して置いて下さい。この
門灯は直ぐ消えるようになっていますかッ」 「ええ、直ぐ消えるように、なってますよ....
「旅愁」より 著者:横光利一
と一言低く云った。医者の帰っていったその後から、矢代も何んとなくまた家を出た。
門灯の光りのとどかぬ雪の上には、矢代と医者と二人の通った跡だけ窪んで見えた。その....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
子《ガラス》戸を開いた隆夫の母親は、びっくりさせられた。意外にも、夫と隆夫とが、
門灯の光を浴び、にこにこして肩を並べていたからだ。 治明博士は、靴をぬぎながら....
「暗号の役割」より 著者:海野十三
ました” “ばあやの部屋の電灯も消え、邸内の窓は全部まっくらになりました。街灯と
門灯だけが光っています” 報告は、櫛の歯をひくように、烏啼天駆のところへ集って....
「猫捨坂」より 著者:豊島与志雄
通りも少なかった猫捨坂は、夜分など、ますます通行人が少なくなった。 坂下の或る
門灯の光りが、ぼんやり見えてるきりで、坂全体が薄暗い。洞窟内の異様な臭気が、ふっ....
「放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
は此啄木の歌をふっと思い浮べながら、郷愁《かなしさ》を感じた。便所の窓を明けると
門灯がポカリとついて、むかあし山国で見たしゃくなげの紅い花のようで、とても美しか....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
になりました。吉祥寺の方からお帰りになるのでしょう。馬場はもとより、宅の並びにも
門灯の附いているのは一、二軒ですから、月もない頃で、下駄の音がまだ聞えるのに、も....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
はなかった。 「……追われているわけでもないんだな」 そう呟いた途端、角の家の
門灯がすっと消えた。 雨はますます激しくなってきた……。 小沢はどきんとした....
「夢幻泡影」より 著者:外村繁
じられなかった。 私は立ち上った。一散に駆けていた。夜霧の中の小野医院の、赤い
門灯が遠い所に浮かんでいるように思われた。 私は妻の様子を告げ、強心剤の注射で....