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門限
「門限〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
門限の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
中で相変わらずの simpleton だと思った。
「そうねえ何時《なんじ》まで
門限は?……え、六時? それじゃもういくらもありませんわね。じゃお湯はよしていた....
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
、林之助はいっそ彼女の家まで一緒に送って行ってやろうかとも思ったが、自分も屋敷の
門限を気遣っているので、このうえ道草を食っているわけにはいかなかった。そのままお....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
、夕六ツ下がりの紫紺流した宵闇です。 然るに、こはそも何ごとぞ!――まだそんな
門限の刻限ではないのに、さながら退屈男の乗り込んで行くのを看破りでもしたかのごと....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。やはり鮎川と増田かな」 「まあ、そうだろうと思いますが……」 屯所は夕七ツが
門限で、その以後の外出は許されない筈である。それにも拘らず、歩兵らは往々夜遊びに....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
くなってしまいました。昔はこの御殿山がなかなか賑わったもので、ここは上野と違って
門限もない上に、三味線でも何でも弾いて勝手に騒ぐことが出来るもんですから、去年飛....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
てしまわねばならなかった。なぜなら、時計は午前九時を十五分ほども廻り、役所の出勤
門限はもう間近かに迫っていた。残り少い時間のうちに、どんな手段によって出勤簿の前....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
に納まったが、神崎はやはり面白くないと見えて、すぐに帰ると云い出した。もう屋敷の
門限も過ぎているのであるから、いっそ今夜は泊って帰れと、仲裁者の二人がしきりに引....
「一九三二年の春」より 著者:宮本百合子
達は七八人だが職場の都合で夜七時頃にしか集れないという話であった。寄宿にいる人は
門限が九時までで、僅かしかおれないから残念がっているそうだ。大体下諏訪の製糸工場....
「海流」より 著者:宮本百合子
にまわった。はる子はグループをそういう風に分けた。前の晩に打合わせはされていた。
門限ぎりぎりに、渋谷にある三田の家へ行った連中が戻って来た。宏子は緊張した期待を....
「道標」より 著者:宮本百合子
あれもいいだろう」
と言った。ミセス・ステッソンは、泰造にまで平日は十一時という
門限のことや、日曜日の食事は料理女を休ませるから|冷たい皿《コールド・ディッシュ....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
から電車賃を出した。小さいひろ子は、あつい御飯をいそいでたべられないのに、会社の
門限はきっちり七時で、二分おくれても、赤煉瓦の工場の入口からしめ出された。ひろ子....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
荷拵《にごしら》えをさせては堅実無比であり、駕籠《かご》の肩を担いでは、お関所の
門限を融通するの頓智もある。雲助唄を歌わせれば、見かけによらず、行く雲を止めるの....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
その形が残っている。そして大小の濡れるのを防ぐために柄袋《つかぶくろ》をかけた。
門限は厳重ではあったが、一面には遅刻する者をかばうために、暮六《くれむつ》時の拍....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
らいなものでした。 でも、鎌倉の家には、毎晩きちんと帰りました。父は夜は八時を
門限ときめていました。遅れないように注意していましたが、ジミーと交際するようにな....
「日蔭の街」より 著者:松本泰
ので、その上、人づき合のわるい私は、学校友達も煩く、勤厳な家庭で、酒は飲むなの、
門限は幾時だのと干渉されては迚《とて》もやりきれない。その点で私は現在住んでいる....