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閃
「閃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
閃の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
、こう叫んだ。太郎は、はっと思った。殺すなら、今だという気が、心頭をかすめて、一
閃《いっせん》する。彼は思わず、ひざに力を入れながら、太刀《たち》の柄《つか》を....
「影」より 著者:芥川竜之介
いのように椅子から立ち上った。彼の顔には、――血走った眼の中には、凄まじい殺意が
閃《ひらめ》いていた。が、相手の姿を一目見るとその殺意は見る見る内に、云いようの....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
りだったでしょうか。とにかく私はこの短い応答の間に、彼等二人の平生が稲妻のように
閃くのを、感じない訳には行かなかったのです。今思えばあれは私にとって、三浦の生涯....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
した西洋家屋を覗《のぞ》かせたり、その又西洋家屋の間に綱に吊《つ》った洗濯ものを
閃《ひらめ》かせたり、如何にも活《い》き活《い》きと横たわっていた。
譚《たん....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
《あふ》れた眼には、不思議な光を宿しながら、じっと彼を見守っている。この眼の奥に
閃《ひらめ》いているのは、無邪気な童女の心ばかりではない。「流人《るにん》となれ....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
譲りの眼の中には、洋一が予期していなかった、とは云え無意識に求めていたある表情が
閃《ひらめ》いていた。洋一は兄の表情に愉快な当惑を感じながら、口早に切れ切れな言....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
った女は下唇《したくちびる》を噛んだなり、神父の顔を見つめている。しかもその眼に
閃《ひらめ》いているのは神聖な感動でも何でもない。ただ冷やかな軽蔑《けいべつ》と....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
見ゴリラに似た、東北生れの野蛮人《やばんじん》なのです。しかし目だけは天才らしい
閃《ひらめ》きを持っているのですよ。彼の目は一塊《いっかい》の炭火《すみび》のよ....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
巻く疑惑の雲を裂《さ》いて、憤怒《ふんぬ》と嫉妬《しっと》との稲妻が、絶え間なく
閃《ひらめ》き飛んでいた。彼を欺《あざむ》いたのはあの娘であろうか。それとも牛飼....
「少年」より 著者:芥川竜之介
い》を駆《か》けまわりながら、ありありと硝煙の匂《におい》を感じ、飛び違う砲火の
閃《ひらめ》きを感じた。いや、ある時は大地の底に爆発の機会を待っている地雷火の心....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
うおっしゃると、たちまちまた御眼《おんめ》のどこかに、陽気な御気色《みけしき》が
閃《ひらめ》きました。
「一条二条の大路《おおじ》の辻に、盲人が一人さまようてい....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
の顔にある表情を感じました。それはちょっとした驚きと一しょに何か本能的な憎しみを
閃《ひらめ》かせている表情です。けれどもこの奥さんはすぐにもの静かに返事をしまし....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
のがある。驚いて、振り返ると、その拍子にまた二の太刀が、すかさず眉間《みけん》へ
閃《ひらめ》いた。そのために血が眼へはいって、越中守は、相手の顔も見定める事が出....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
事をしなければ、約束通り命はとってやるぞ」 神将はこう喚くが早いか、三叉の戟を
閃かせて、一突きに杜子春を突き殺しました。そうして峨眉山もどよむ程、からからと高....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ところが、ちょうど彼らがこの教会の橋まできたとき、ヘッセ人はぱっと飛びあがり、一
閃の火焔となって姿をかきけしたのである。 暗闇で話をするときの、あの眠たげな低....