閃かす[語句情報] »
閃かす
「閃かす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
閃かすの前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旅愁」より 著者:横光利一
はなかったが、他のこととは異りこの一事に関しては母の黙している限り、彼から表情を
閃かすことは仕にくいことだった。また、母が先だって彼を動かし、父の納骨を好機に家....
「太十と其犬」より 著者:長塚節
うして更に無数の囁が騒然として空間に満ちる。電光が針金の如き白熱の一曲線を空際に
閃かすと共に雷鳴は一大破壊の音響を齎して凡ての生物を震撼する。穹窿の如き蒼天は一....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
燃えていた。これは決して消極的な信念ではなくて、もっと便利な営業所に対して彼等が
閃かす積極的な武器であった。テルソンは(と彼等は言うのだった)何もゆとりなどを必....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
、一人が云って、油断を見せた一刹那――小太郎は、影の閃く如く、一間余り、身体を、
閃かすと、ぱっと、音立てた血煙――ばさっと、鈍く、だが、無気味な音がした。その浪....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
側面へかかる。わっと、総立ちになったのは甲比丹の三次をはじめ荷抜屋の誰彼、脇差を
閃かす者、戸惑う者、かけこんで錆鎗を押っ取る者。据物斬りの見物が、意外な血をみず....