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閉
「閉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
閉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
けの、反抗心を起していたのに相違ない。何にしても、あの眇が相手では、いくら己でも
閉口するはずだ。」
馬琴は苦笑しながら、高い空を仰いだ。その空からは、朗かな鳶....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
《そ》らさないではいられなかった。
「何か御用ですか。」
私は読みかけた書物を
閉じながら、無愛想にこう問いかけた。云うまでもなく私には、彼の唐突な訪問が意外で....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
これも同じような藤の枝に御文を結んだのを渡したなり、無言でまた、その扉をぴたりと
閉めてしまいました。
そこで泣く泣く御立ち帰りになって、その御文を開けて御覧に....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
し》とか云う遊里に足を踏み入れる気色《けしき》もなく、ただ、毎日この新築の書斎に
閉じこもって、銀行家と云うよりは若隠居にでもふさわしそうな読書|三昧《ざんまい》....
「河童」より 著者:芥川竜之介
《かっぱ》の国から帰ってきた後《のち》、しばらくは我々人間の皮膚の匂《にお》いに
閉口しました。我々人間に比べれば、河童は実に清潔なものです。のみならず我々人間の....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
津崎左近《つざきさこん》は助太刀の請《こい》を却《しりぞ》けられると、二三日家に
閉じこもっていた。兼ねて求馬《もとめ》と取換した起請文《きしょうもん》の面《おも....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
と、急にその前へ跪《ひざまず》きながら、何も云わずに涙を流した。孫七はやはり眼を
閉じている。おすみも顔をそむけたまま、おぎんの方は見ようともしない。
「お父様《....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
うふし》になる仙人の術を教えて貰いたいと思いますが。」
権助にこう云われると、
閉口したのは主人の医者です。何しろ一文も給金をやらずに、二十年間も使った後《あと....
「葬儀記」より 著者:芥川竜之介
ある。至極もっともな憤慨だから、僕もさっそくこれに雷同した。そうして皆で、受付を
閉じて、斎場へはいった。
正面の高い所にあった曲※《きょくろく》は、いつの間に....
「早春」より 著者:芥川竜之介
ず》んでいる。あすこは存外《ぞんがい》暮れ易いだろう。そのうちに光は薄れて来る。
閉館の時刻《じこく》もせまって来る。けれども女学生は同じようにいつまでもじっと佇....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
とみ》を移した。が、彼はやはり藁の中に、気を失ったのか、仮死《そらじに》か、眼を
閉じたまま倒れていた。
「渡したと云うのは嘘か?」
「いえ、嘘じゃありません。ほ....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
めた弘法麦の中へうっかり足を踏み入れると、ふくら脛《はぎ》の痒《かゆ》くなるのに
閉口したから。)そんなことを話して歩いて行った。気候は海へはいるには涼し過ぎるの....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
動する心臓、唇を約束する微笑、抱愛を約束する唇!――そして最初の接吻、思わず眼を
閉じさせる、あのいつ終るとも見えぬながいながい接吻、あの接吻こそやがて女のすべて....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
胸にはありしなり。さりければなおさらに学問を励み、新たに来る教師には難問をかけて
閉口させ、後には父にも伯父にも口を開かせぬ程になり、十五の歳新潟へ出て英学をせし....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ているものだった。軒が低く突きだして、正面にヴェランダができ、天気が悪いときには
閉められるようになっていた。ここには、から竿や、馬具や、いろいろな農具やら、また....