閉ざす[語句情報] » 閉ざす

「閉ざす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

閉ざすの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
、物もいわず猿臂《えんび》を伸ばして、吾輩が外を眺めている車窓の日除け扉《ど》を閉ざす。これは怪《け》しからん奴じゃ、他《ひと》の領分の扉を無断で閉ざす奴がある....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
を反対に行うと、掛金が閂孔の中に入ってしまうのですからね。つまり、開く時の基点は閉ざす時の終点であり、また、閉じる時の基点は開く時の終点に相当する訳なのです。で....
桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
だ中にさらされて、その士卒と共に倒れた。元康の士|筧正則等が之に乗じて進み、門を閉ざす暇を与えずに渡り合い、松平義忠の士、左右田正綱一番乗りをし、ついに火を放っ....
大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
方に眼を移した。なかなか、長い報告だった。 “……しかるにこの乗物の出入口を全部閉ざすや否や、忽然として空中に浮動するを発見せり。早速ガラス製と思われる窓より、....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ていなかったのである。 しかしながら、他の編集所が自分にたいして扉《とびら》を閉ざすのを見た時、彼が思いついたのはその男とその新聞とであった。かかる手段が物議....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
きりだった。そしてアントアネットが頼りにしてる夫人は、その客間をあの男に向かって閉ざす必要はなかった。彼のほうでもうやって来なかったから。 それとほとんど同じ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
彼らはその家に閉じこもる。いかなる権利によってか? おのれの戸を開きもしくは閉ざすは各人の任意であるという権利によって。 彼らは外出をしない。いかなる権利....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
それを少しも改めようとしなかったのである。彼は言っていた。「昼間は物騒で、雨戸を閉ざすべきである。りっぱな紳士は、蒼空《そうくう》が星を輝かす時に、おのれの精神....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
・ヴァルジャンは市の外に出ていた。またたくまに、一つの蓋《ふた》を上げそれをまた閉ざすだけの暇に、彼はま昼間からまったくの暗黒に、正午から真夜中に、騒擾《そうじ....
死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
もやわらげることができた。受刑人はまた同時に悔悛者だった。社会が彼に一つの世界を閉ざす時、宗教は彼に他の世界を開いてくれた。どの魂も神を覚えた。死刑台は天の国境....
前記天満焼」より 著者:国枝史郎
のだろう家財を運んでいる者がある。 ぶちこわしが恐ろしい連中なのであろう雨戸を閉ざす者もある。 露路に向かって駈け込む者、露路から往来へ駈け出る者……それで....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
、甲板に横になって星を眺め、波のぶつかる音を聞いた。私は、アイルランドを視野から閉ざす暗やみを喜んだ。まもなくジュネーヴが見れるのだと考えると、熱っぽい喜びで脈....
扉は語らず」より 著者:小舟勝二
ゃあ困るね。立てかけといた丸太がブッ倒れらア」 扉の方を気にし乍ら―― 光りを閉ざす地の底の 闇に生れたならず者……… 「あッ、いけないや!………誰かあすこに....
魔都」より 著者:久生十蘭
三四人、何気ない体《てい》で行きつ戻りつしているのである。 加十は慌ててドアを閉ざすとそれに背を凭せて喘いでいたが、追々心気の鎮まるにつれ、この考えは少し妙だ....
レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
。四方灰色を以て塗る。天井より青白き光線さし下る。左右に口ありて堅き鉄の扉を以て閉ざす。室の正面中央に大なる窓。窓には鉄の格子あり、黒き掛け布ありて半ばしぼられ....