閉める[語句情報] » 閉める

「閉める〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

閉めるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
姿になって、AB横町の左右を※す趣であったが、うしろ向きに入って、がらがらと後を閉めると、三足ばかりを小刻みに急いで来て、人目の関には一重も多く、遮るものが欲し....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
手は知らず、ちょっと詰るように、 (誰が明けます。) (誰や知らん。) (はあ、閉める障子を明ける人がありますか。) (棺の蓋は一度じゃが、な、障子は幾度でも開....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
先へはいらせて、最後に中尉が梯子をのぼる。梯子はぽんと外へ蹴とばし、扉をぴたりと閉める。気密扉だから、全部を閉めるまでに十秒かかるのだ。 「そら、燃料点火だ」 ....
火薬船」より 著者:海野十三
なってしずかになったのを見すますと、倉庫の出入口へ現れた。 「おい、この倉庫は、閉めるから、出る者は今のうちに皆出てこい」 倉庫の中は、もうほとんど一杯だった....
地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
いか、靴をぬいで、どんどんかいだせ」 「軍曹どの、扉を!」 「おお、そうだ。扉を閉めるぞ!」 パイ軍曹は、力一杯、戦車の扉をばたんと閉じた。 とたんに、戦車....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
ると、村の人が煩いから、月は可し、灯を消して戸をしめて。―― と框にずッと雨戸を閉める。閉め果てると、戸の鍵がガチリと下りる。やがて、納戸の燈、はっと消ゆ。 ※....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
たが、御本尊の前にはこの雇和尚ただ一人。もう腰衣ばかり袈裟もはずして、早やお扉を閉める処。この、しょびたれた参詣人が、びしょびしょと賽銭箱の前へ立った時は、ばた....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
ょっと、失礼する。」 で、引返して行く女中のあとへついて、出しなに、真中の襖を閉める、と降積る雪の夜は、一重の隔も音が沈んで、酒の座は摺退いたように、ずッと遠....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
それなり夜になろうが、それだけに、なお陰気で、星は出そうにもなし、雨になると戸を閉めるから、遠い灯の影も見られなそうな夕暮だった。 (もう、お天気になりましょう....
頭髪の故事」より 著者:井上紅梅
一枚の金巾《かなきん》を掲げて、こうしてずっと夜まで押しとおし――旗を収めて門を閉めるのであるが、そのうち幾軒は偶然取忘れて次の日の午前まで掲げておく。 彼等....
式部小路」より 著者:泉鏡花
だ、悚然としましたよ。 すぐにひょろひょろと室へ入って、扉を音もなくひとりでに閉めるとね、トタンに※と点いて来たと思った電燈が、すぐに忘れものを思い出して引返....
わが母を語る」より 著者:上村松園
の三人暮しとなりました。そこで母は四条通りは繁昌してよいが、人通りが多く夜も店を閉めるわけにはいかない、夜は店もしめて、少しはゆっくり出来るように、ひっそりした....
昔尊く」より 著者:上村松園
ろのことでございますし、その上、さきの四条通とはちがいまして、夜になると早々店を閉めるといった極めて静かな場所、それに昨日までいた姉もいず、随分と心細い思いをし....
あの顔」より 著者:大倉燁子
? あなたの権幕に――」 「弘さんはべそを掻くような顔をして部屋を出ました。襖を閉めるか閉めないに、私はまた声を張り上げて、お金が出ないと分ったらもう来まいよ、....
深夜の客」より 著者:大倉燁子
かけながら、 「有松さんのお邸まで送って頂戴」と云った。 運転手はバタンと扉を閉めると同時にハンドルをきった。 夜風が寒く、空には星がきらめいていた。車が松....