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「閉る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

閉るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
い。」 「そこを閉めて行け、寄宿生が覗くようだ。」 四十八 扉が閉ると、教頭|身構を崩して、仰向けに笑い懸けて、 「まあ、お掛なさい、そこへ。貴....
赤外線男」より 著者:海野十三
ういって深山理学士は、大きい溜息をついたのであった。 「君は、そのとき、何か扉の閉るような物音をききはしなかったかネ」と課長が尋ねた。 「そうです。そういえば、....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
一条の白光線が滝のように流れて、開いた木戸から一人の男が飛出した。 木戸が再び閉ると一瞬照し出されたゴタ/\したみすぼらしい裏口の光景は消えて、四隣は又元の真....
風流仏」より 著者:幸田露伴
なき者あろうか。 下 子は岩蔭に咽ぶ清水よ 格子戸がら/\とあけて閉る音は静なり。七蔵衣装立派に着飾りて顔付高慢くさく、無沙汰謝るにはあらで誇り気....
什器破壊業事件」より 著者:海野十三
の不意打に狼狽するしかなかった。あの入口には、きっともう、扉をしめるとがちゃんと閉る自動錠がかかっているのであろう。壁はこのとおり厚いし、第一窓というものがない....
鷭狩」より 著者:泉鏡花
に、向う見ずに扉を押した。 押して出ると、不意に凄い音で刎返した。ドーンと扉の閉るのが、広い旅館のがらんとした大天井から地の底まで、もっての外に響いたのである....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
が当|館の関門、来診者の出入口で、建附に気を注けてあるそうで、刎返って、ズーンと閉る。 と突出された体にしょんぼり立って、 「どうも、何だ、夜夜中、」 医師....
小公女」より 著者:菊池寛
ら誰かが入って来ても、何にも知らずにぐっすり眠っておりました。 天窓がぱたりと閉る音を聞いたと思いましたが、セエラは眠くてたまらないので――それに、何か妙にぽ....
雪霊続記」より 著者:泉鏡花
けました。――風も次第に、ごうごうと樹ながら山を揺りました。 店屋さえもう戸が閉る。……旅籠屋も門を閉しました。 家名も何も構わず、いまそこも閉めようとする....
新学期行進曲」より 著者:海野十三
いる行人、など街の騒音。 級長 外が騒々しいね。暑いけれど、窓を閉めよう。 窓を閉る音。 生徒 あっ、出来た。これでいいんだろう。Xは5でYは3、Zは12さ。 ....
愛の為めに」より 著者:甲賀三郎
。赤ン坊を妻に預けて置いて私は直ぐ、呉服店に引き返えそう。今は三時だから呉服店の閉る五時までには充分本所まで往復する時間はある。その時分には父は帰っているだろう....
夜の構図」より 著者:織田作之助
そんなことはどうでもよい。さし当って、明日もう一度冴子に会うことだ。 その幕が閉ると、信吉はそわそわと、監事室の外の廊下へ出た。 奇怪なる新内語りと奈落で奇遇....
ある恋の話」より 著者:菊池寛
アリと頭の中に浮んだのです。その瞬間、私は居たたまらないような不快を感じて、幕が閉ると、逃げるように小屋を出ました。無論、その干菓子などには、見向きもしませんで....
式部小路」より 著者:泉鏡花
ッくと出て、腕でむずと鷲掴み、すらりと開けたが片手|業、疾いこと! ぴっしゃりと閉ると、路地で泣声。 「御免なさい、御免なさい。」 というのが聞える。膝を立て....
新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
がかけられていて、絵の好きな私はそれをみるのが楽しみであったがいつかその勧工場が閉ると共に、今度は、油絵や水彩画の常設展覧所となった。丁度そのちょっと前頃から絵....