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「閉場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

閉場の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
両国の秋」より 著者:岡本綺堂
悪いことをお言いでないよ」 豊吉の推測はことごとく外《はず》れなかった。小屋が閉場《かぶ》ってから、お花はどう説き付けたかお絹を誘い出して向島へ駕籠で行った。....
勲章を貰う話」より 著者:菊池寛
、馬車に乗せて馭者《ぎょしや》に合図の手振りをした。その時であった。彼は楽屋口の閉場《はね》時の、混乱した群衆の中に、連隊副官のダシコフ大尉の蒼白な頬と、燃ゆる....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
売の邪魔をするのも可哀そうだから、もうちっと待っていると日が暮れるだろう。小屋の閉場るのを待っていて、すぐに河童をあげるようにしろ」 幸次郎は心得て出て行った....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たが、どうにか今夜ぐらいは持つだろうと半七は云った。ここらの宮芝居は明るいうちに閉場ることになっている。殊に照之助は虎狩に出るだけの役らしいので、ぐずくずしてい....
蠅男」より 著者:海野十三
は、警官隊はどうしてその夥しい人間の首実検をするのであろうか。恐らく蠅男は、その閉場の時刻を待っているのであろう。 怪漢蠅男ほど頭の働く悪人は聞いたことがない....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
発ちの方だそうですが、是非自分で持って行き度いと、そう仰しゃるものですから、もう閉場間際だし、包んでお渡ししました。たった今。この方です」 と事務員の出した売約....
寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
暗いからである。寄席の下足場にはめいめいの下駄の上に提灯が懸けてあった。そこで、閉場になると、場内の客が一度にどやどやと出て来る。それに対して、提灯の火を一々に....
絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
のだよ。あの観覧車の中に、一つ紅色に塗った車があるじゃないか。それが、毎日四時の閉場になると、一番下になってしまって、寛永寺の森の中に隠されてしまうのだよ。いい....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
れてきた。 ところが、その翌日、前夜のうち逢痴に対する令状が発行されたとみえ、閉場を待つ私服の群が、観衆の中で鋭い眼を光らせていた。 いまや舞台は、三幕目砂....
ある恋の話」より 著者:菊池寛
男が、二人連で入って来て、染之助を見ると、 『やあ! 染之助さん、芝居の方はもう閉場ましたかい』と、云うじゃないか。私は身も世もないように失望してしまいました。....
子供役者の死」より 著者:岡本綺堂
頭はなんだかぼんやりしていて、舞台もろくろくに身にしみませんでした。田舎の芝居は閉場が遅いので、自分の役をすまして宿へ帰ったのは夜の九つ過ぎ、今の十二時過ぎでし....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
分の一にも足らぬように思われる。鳥熊の春木座は午前七時に開場して、午後四時ごろに閉場することになっていて、開場の一時間前から客を入れるのであるが、その午前六時頃....
酋長」より 著者:岡本かの子
までは、いろいろな設備をして入場者を遊ばせるのである。しかし、冬は手入れかたがた閉場しているので、まるで山中の静けさだった。 朝子が別荘に移ると、直ぐ庭守の忰....
明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
多年の習慣に因って、「早朝より相始め」というに過ぎざりしに、中村座が初めて開場と閉場の時間を番附に明記したり。 ○五月、沢村座の番附に、桟敷代上等金一円八十五銭....
世間師」より 著者:小栗風葉
の寝る所を考えた。場内の熱狂した群衆は、私の姿など目にも留めない。 そのうちに閉場の時刻が来た。ガランガランという振鈴の音を合図に、さしも熱しきっていた群衆も....