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「閉居〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

閉居の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
込んでいる。儒家にも静坐の工夫と云うのがあるそうだ。これだって一室の中《うち》に閉居して安閑と躄《いざり》の修行をするのではない。脳中の活力は人一倍|熾《さかん....
新生」より 著者:島崎藤村
に陣取って膳に対《むか》って見た。懺悔《ざんげ》を書き始めてから以来《このかた》閉居する身には庭の草木も眼についた。夏らしい涼しい雨は開けひろげた障子の外に見え....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
行きたいと思って、そばにいる人に尋ねると、栄五郎は過ぐる日すでに罪を得て旅籠屋に閉居する身であるとの返事であった。 夕闇が迫って来た。城内の廊下も薄暗い。その....
十二支考」より 著者:南方熊楠
、外国のような大騒ぎ社会を害毒するの甚だしきに至らぬ。エジプト等の回教国には婦女閉居して男子を見ず。女客の往来すこぶる自在で、妻妾の室の入口に女客の靴あらば、夫....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
にとっては一種の結核である。それは生命の根を断つ。一言にして言えば人口を減ずる。閉居であり、去勢である。ヨーロッパにおいては天の罰であった。それに加うるに、しば....
学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
これを隠者と名づく。あるいは真の隠者にあらざるも、世間の付合いを好まずして一家に閉居し、俗塵を避くるなどとて得意の色をなす者なきにあらず。この輩の意を察するに、....
漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
にて毎日ギュー。閲読甚だ多忙。随って初袷の好時節も若葉の初鰹のと申す贅沢も出来ず閉居の体。しかも眼がわるく胃がわるく散々な体。服薬の御蔭にて昨今は腹の鈍痛だけは....
寒中滞岳記」より 著者:野中至
原野に出《い》でて労働に慣れし身を以て、俄《にわ》かに山巓《さんてん》の観測所に閉居するに至らば、あるいは予よりも先《さ》きに倒るることなきを保《ほ》せず、殊《....
慶応義塾学生諸氏に告ぐ」より 著者:福沢諭吉
育法はますます高く、学校はあたかも塵俗外《じんぞくがい》の仙境にして、この境内に閉居就学すること幾年なれば、その年月の長きほどにますます人間世界の事を忘却して、....
私本太平記」より 著者:吉川英治
どの儀は、公辺の憚り向き、如何なものでござりましょうか」 「なんの、いまは晴れて閉居を解かれた両名。いっこうその儀は、さしつかえはあるまい」 「さらば、下野国か....
私本太平記」より 著者:吉川英治
「聞かぬがおよろしかろう。すでに正成は、気鬱重しとあって、御陣簿からのぞかれ、閉居を命ぜられておる」 「とるにたらぬ河内の一守護。聞きますまい」 「喬木風にあ....
大谷刑部」より 著者:吉川英治
身の如き病体には……」 と、虫の音に、言葉を切って、 「――時に、治部殿は、御閉居以来、どうじゃの、元気か」 「自適いたしておりまする」 「この度、東北におい....