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開けっ放し
「開けっ放し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
開けっ放しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
渡瀬は真剣にそうおもうことがよくあった。そのくらい新井田の夫人は渡瀬に対して
開けっ放しに振舞ったし、渡瀬は心の中で、ありえない誘惑に誘惑されていたのだ。この....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
だもって『Discorsi』さえも読んでいないのですよ、ですから、御覧のとおりの
開けっ放しで、勿論|陥穽も計謀もありっこないのです。いや、いっそこの際、事件の帰....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
とでもいうべきお粗末な住家で、庵の主人は印度人のような鳶色の体を少しばかし、まだ
開けっ放しの入口の孔から突き出したまま、ひょくりひょくりと頭をふっている。何一つ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
ど紛らわしいわけだ。そして、その家である。セイロン島の住宅は、すべて往来へ向って
開けっ放しになっていて、形ばかりの椰子の葉の衝立なんかを仕切りに立ててあるに過ぎ....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
ットを裏返しにしたまま床《ゆか》のあたりに散らばっていたし、錠の下りるひきだしは
開けっ放しになっていたし、炉床には、たくさんの書類を焼いたらしく、黒い灰が山にな....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
るようにと、斜に腰掛けていた。 彼は、私に、あっちへ行っておれ、そして扉を広く
開けっ放しにして行ってくれ、と言いつけた。「鍵穴から覗いたりなんかすると承知しね....
「山吹の花」より 著者:豊島与志雄
んの子供こそ、いつも糞をたれ流しじゃないか……。」 Fさんは得意そうに笑った。
開けっ放しの朗かな性質なのだ。けれども、なんだか淋しそうな影がないこともなかった....
「自転車嬢の危難」より 著者:ドイルアーサー・コナン
さんは、とても興味を持っていると思われることが時々ございましたわ。私たちは、全く
開けっ放しで、夜は私はあの方の伴奏を弾きました。もちろんしかし彼はいつも、何にも....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
私から相談があるんだけど……」 とお悦の唇が、いきなり濡れてきて、眼に肢体に、
開けっ放しの淫らがましいものが輝きはじめた。 「それは、ほかでもないんだが、もし....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
極めて著しい変化が彼に起っていたのだ。彼の顔には愛嬌のいいところがなくなったし、
開けっ放しの様子も少しもなくなり、寡言な、怒りっぽい、危険な人間になっていた。 ....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
細いような気持だった。 帳場の入口は、路地をちょっと曲ったところにあった。戸は
開けっ放しになっていたが、中にはいると、なまぐさい匂いがむっと鼻をついた。 森....
「五右衛門と新左」より 著者:国枝史郎
いさ。が、尋常の隙では無い。……用心から洩れる隙なのだ。固めから崩れる隙なのだ。
開けっ放しの人間には、仲々忍術は応用出来ない」 「ははあ然うか、これは驚いた。頓....
「丸の内」より 著者:高浜虚子
バラック建である。 表の戸からして粗末である。狭い入口が二つあって、その一つは
開けっ放しになっている。沢山の人の出はいりに便宜なようにハンドルが細引か何かでし....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
はアゾレ群島に向かったという情報がはいった。機会はきた、憎々しいイングランドは、
開けっ放しの無防備のまま、彼の目の前に横たわっている。彼は無敵艦隊に即刻の出動を....
「澪標」より 著者:外村繁
る。その半ばは芝生になってい、ぶらんこもあって、私達の恰好の遊び場になっている。
開けっ放しになっていた門から、たつが顔を出した。たつは上畑の帰りらしく、手に提げ....